苦難のソフトバンク育成右腕 千賀滉大の教えを胸に故障から復活へ 13日にシート打撃登板予定「ようやくここまで。でも通過点」

AI要約

右腕の大竹風雅投手が育成3年目でリハビリを経て再調整中。ブルペン投球でフォームを確認し、力を抜いて投球した結果、球速や制球が安定していた。実戦復帰後、肩の肉離れで苦しんでいるものの前向きな姿勢を見せる。

元ホークスの千賀滉大からの指導を取り入れ、投球フォームや足の使い方を改善中。体の使い方や投球の感覚に自信を持ち、けが前よりもパフォーマンスが向上しているという。

シート打撃に向けて意欲を見せる大竹投手は、試合復帰後は結果にこだわり、成長を続ける姿勢を示す。怪我からの復帰期間を無駄にせず、努力を続けている。

苦難のソフトバンク育成右腕 千賀滉大の教えを胸に故障から復活へ 13日にシート打撃登板予定「ようやくここまで。でも通過点」

 ソフトバンクの育成3年目、大竹風雅投手(24)が11日、福岡県筑後市のファーム施設でブルペン投球した。右肩の肩甲下筋の肉離れでリハビリ調整中で、フォームを確認しながら38球を投じた。13日にシート打撃に登板する予定。

 7割の力で真っすぐ、カーブ、スライダー、フォークを投げ込んだ。この日の最速は145キロ。「あまり力を入れなくても球速が出たし、制球も安定していた。変化球がもう少し。いい点と悪い点どちらもあった」と振り返る。

 東北福祉大から2022年にドラフト5位で入団。同年4月に右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。同年のオフに戦力外となり、育成選手として再契約。リハビリを経て、23年夏に実戦復帰した。昨秋のみやざきフェニックス・リーグで2軍で指揮を執っていた小久保裕紀監督を「初めて見たけど、いい投手。きょうの収穫」とうならせた最速152キロ右腕だ。

 今年の宮崎春季キャンプはB組(2軍)スタート。アピールを続けていたが、3月6日の春季教育リーグ・阪神戦(鳴尾浜)で右肩の肩甲下筋の肉離れを発症して離脱。さらに5月のシート打撃で再発し、リハビリを続けている。「キャンプは本当に調子が良くて、このまま行けばという思いはあった。肉離れをして悔しい気持ちはあるけど、開き直るしかなかった」と前を向く。

 個別練習では自主トレをともにした元ホークスのメッツ・千賀滉大に教わってきたことを実施している。例えば足の使い方。母指球と小指球、かかとの3点でしっかり地面を押すことを意識し、ウエートトレーニングなどをする。「いかに自分のものにできるかをずっとやってきたので、改めてやっている」

 けがをする前に比べて、体をうまく使えて投げられているという。「千賀さんに投げ方やフォームを教えてもらい、その感覚で投げると結構狙ったところにいく」と自信も口にしする。

 シート打撃登板に「ようやくここまで来たなと思う。けど、これは通過点に過ぎない」と強調。「(復帰は)遅くなったけど、試合に出られるようになったら、結果にこだわって、ゼロでおさえていきたい」。期待されながらけがに苦しんだ右腕は、この期間の努力を無駄にはしない。(浜口妙華)