【日本ハム】4番マルティネス復活の決勝弾「あまり考えすぎず」打席の中ではクールにシンプルに

AI要約

日本ハムのマルティネス捕手が同点の8回に決勝の3ランホームランを放ち、チームの勝利に貢献。

マルティネスは最高の状況で打撃を発揮し、借金を1に減らして4位に再浮上した日本ハムにとって待望の活躍となった。

新庄監督もマルティネスの復活を喜び、チーム全体の流れが良い方向に向かっていることを認めた。

【日本ハム】4番マルティネス復活の決勝弾「あまり考えすぎず」打席の中ではクールにシンプルに

<西武1-6日本ハム>◇10日◇ベルーナドーム

 悩める4番が復活の号砲だ。日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が、同点の8回に決勝の9号3ランを放った。先週5試合は4番を外れていた主砲が、前夜は相手のミスを見逃さない「目」で、この日は同点の終盤に待望の打棒を「開眼」させて、連夜の大活躍。チームも6月13日以来の連勝となり、借金を「1」に減らして4位に再浮上した。

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 マルティネスは、尻に火が付いていた。「もう本当に、そろそろ打たないといけない」。同点の8回1死一、二塁。4番が試合を決められる、最高のシチュエーション。カウント1-2からの5球目。「ストレートが来ると思っていた」。1、2球目は見逃していた直球を狙い打ち。打球は左翼席へ吸い込まれた。決勝の9号3ランは出場8試合、43打席ぶりの感触だった。

 打った瞬間に“確信歩き”から、一塁到達前にヘルメットも投げ捨てて歓喜のダイヤモンド1周だ。「ここ最近は、いいバッティングができていなかった。もちろんフラストレーションがたまっていた」。それでも、前夜は野村大の一塁踏み忘れをしっかり目視したように常に冷静さは忘れない。「昨日の打席も踏まえて、この打席でストレートが来ると思った」と西武バッテリーを上回った。

 6月後半は調子を落としていた。7月最初のロッテ3連戦と前カードのオリックス2連戦は4番から外れ、欠場した試合もあった。復調を目指す中で意識したのは「ただ熱くなるんじゃなくて、冷静に自分に何ができるかと考えて取り組んだ。一番重要なことは冷静になること。あまり考えすぎずにバッターボックスに立つことが重要」。打席の中ではクールにシンプルに。最高の場面で体現した。

 開幕から主にマルティネスに4番を任せた新庄監督にとっても、待望の1発だった。「昨日、清宮君が(本塁打を)打って、今日はグワチョ(マルティネスの愛称)が打って。日替わりでヒーローが出てくれば、いい流れが出てくる。この2試合で流れが向いてきた」と笑顔。チームは4位に再浮上。借金も1に減らし、12日からは首位ソフトバンクと再び本拠地で3連戦。上げ潮ムードの4番マルティネスを中心に前回3連敗の借りを返す。【木下大輔】