【苫小牧便り】新種牡馬イクイノックスは元気です!海外牧場関係者は「モンスター」と歓喜

AI要約

10日の社台スタリオンステーション取材では、種牡馬たちのパレードリンクやイクイノックスの様子が紹介されました。

イクイノックスの初年度種付けシーズンが終了し、父キタサンブラックと同額の2000万円の種付け料が話題に。

来年のセレクトセールではイクイノックスの落札が期待されており、産駒にも注目が集まっています。

【苫小牧便り】新種牡馬イクイノックスは元気です!海外牧場関係者は「モンスター」と歓喜

 8、9日のセレクトセール取材を終え、10日は社台スタリオンステーションへ。前日までの2日間は高額落札連発に頭がクラクラしましたが、この日は暑さにやられそうでした。北海道も夏本番といった感じです。今日は海外の牧場、厩舎関係者が来場するということで、自分も牧場見学に混ぜてもらいました。

 キタサンブラック、エピファネイア、コントレイル、スワーヴリチャード、ロードカナロア、キズナ…。次から次へとパレードリンクに種牡馬が登場し、20頭ほどを見せてもらいました。コントレイルは蹄音がほとんどせず、社台SSの関係者が流ちょうな英語で「忍者みたいな馬。忍者っていつも黒い服を着ている。コントレイルも(青鹿毛だから)そうだね」と、ユーモアたっぷりにプレゼンしていました。

 世界最強馬も元気でした。今年から種牡馬入りしたイクイノックスはこの春、初めての種付けシーズンを終えました。青鹿毛の同馬が登場すると、米国から来た競馬関係者は「ワオ、モンスター!」と目を輝かせました。

 種付け料は初年度ながら同馬の父キタサンブラックと同じ、今年の国内最高額となる2000万円です。引退戦の23年ジャパンCを4馬身差で勝利し、獲得したレーティング135は世界の年間1位。そのジャパンCはワールドベストレースに選出されました。社台SSの徳武英介場長は「世界ランキング1位はすごい宣伝になりますよね。海外のジョッキーも実際に日本でのレースを見ているし、日本でもルメールさんだったりがSNSで発信して、世界中の方が見ていたのだと思います」と話します。

 馬体そのものは現役時よりふっくらしましたが、皮膚の薄さは父キタサンブラックにそっくりです。徳武場長は「種付けも上手でした。種付けをしているうちに、背腰はすごく強くなりましたね。毎日筋トレをしている感じだったんでしょう。(父の)キタサンブラックはいつもあばらがすっと浮いているような馬体ですし、イクイノックスもそういう体質なんでしょうね。受胎率もよかったですし、無事に終わりました」と、ホッとした表情を浮かべました。同SSにけい養されている種牡馬たちの正式な種付け頭数は、秋にも発表予定です。

 イクイノックスの初年度産駒は来年誕生予定。G1・9勝牝馬アーモンドアイと交配が行われたり、繁殖牝馬のラインアップは豪華極まりないと聞いています。今年のセレクトセールは1歳部門、当歳部門とも父のキタサンブラックの産駒がトップの落札額をたたき出しました。来年はセレクトセールの会場(苫小牧市のノーザンホースパーク)で“イクイノックス旋風”が巻き起こるのか…。早くも妄想が広がります。【松田直樹】