逆転負けの阪神 相手の盗塁はチームで防ぐ意識を 佐藤義則氏が提言

AI要約

阪神は広島相手に逆転負けを喫し、3位タイに転落。リリーフ陣の失点が勝負の分かれ目となった。

島本から石井への投手交代時に初球で盗塁を許し、結果的に4失点を喫して連勝を逃した。

チーム全体としての意識や連携が守りを強化する重要性が訴えられる八回の守備シーン。

逆転負けの阪神 相手の盗塁はチームで防ぐ意識を 佐藤義則氏が提言

 「広島7-5阪神」(4日、マツダスタジアム)

 阪神が逆転負けで7月初黒星を喫し、3位タイに転落。首位・広島相手にカード3連勝を逃した。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏はリリーフ陣がつかまった八回にフォーカス。失点を防ぐためにチーム全体としての意識の大切さを説いた。

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 阪神にとっては八回裏の守りが勝負の分かれ目となった。この回から登板した島本が1死一、二塁とピンチを招いて石井にスイッチ。結果的には石井が踏ん張れず、ここからの4失点で阪神は3連勝を逃した。

 石井は初球、羽月に盗塁を許すなどし、その後、2死満塁。勝ち越し点はそこからの石井の暴投だった。しかしこの投手交代の場面、私が投手コーチだったら石井には「初球、直球でヒットだけは気をつけよう」と声を掛ける。

 もしそんな打たれ方をすれば相手は勢いづき、投手交代に後手のイメージを与えてしまう。

 もう一度その初球を振り返ると、石井は変化球を外角低めに外した。ここで二走・羽月が盗塁を決め一、三塁。梅野の送球がわずかにワンバウンドしたが、ストライク送球であれば、とか、直球を要求していればという見方はあるにせよ、バッテリーの球種選択は間違っていない。

 打者石原に対し、最も警戒すべき、安易に直球を投げ込んで痛打されることがなかったこと自体は、実は合格点なのだ。

 ただ、羽月はああした盗塁をよくやってくるだけに、それを許せば無警戒の印象は残る。例えばショート小幡が石井に注意喚起を促す。その声は羽月にも聞こえるはずで、わずかでも躊躇(ちゅうちょ)させられるかもしれない。チーム全体として防げる失点だったようにも感じた。