大谷翔平と「ヘッドバンプ」の一塁コーチ、投手の「癖」共有…ドジャースの強さの理由

AI要約

大谷翔平の盗塁の進化と、チーム全体の取り組みについての記事。

一塁コーチが相手投手の分析や戦術を選手たちと共有する様子。

チーム全体がプロ意識を持ち、共有し合いながら総合力で勝利を目指す姿勢。

大谷翔平と「ヘッドバンプ」の一塁コーチ、投手の「癖」共有…ドジャースの強さの理由

 ドジャースは6月17日からロッキーズ戦のためにデンバーに遠征に行った。試合前にメディアに開放されたクラブハウス。その円卓の一つで、クレイトン・マッカロー一塁コーチは繰り返し、相手投手の映像を見ていた。気づいたことを、ノートに書き記す。その後、ロッカーに座っていた大谷翔平のところにパソコンを持っていき、しばし話を始めたー。

 マッカロー一塁コーチは、大谷が一塁に出塁した時にヘルメットをぶつけるセレブレーション「ヘッドバンプ」で話題になった。捕手出身のコーチは毎日、相手投手の「癖」を分析している。4年前に一塁コーチになってから分析を始めた。

 投手のグラブの角度や位置、体の動きを映像で何度も何度も見ながら、けん制を入れる、入れないのタイミングやクイック動作の速さを頭にインプットする。そして、選手たちと共有する。コーチは「勝つために少しでも有利なこと、きっかけを見つけたい。自分がその助けになることを見つければ、翔平たち選手に伝えるんだ」と語る。

 今季、大谷はここまで16個の盗塁に成功している。6月は痛めていた左太ももの影響もあってか少しペースが落ちたが、それでもキャリアハイのペース。そして、今季は成功率が高く、失敗はまだ2つ。その一つも、エンゼルス戦でオホッピーが完璧なタイミングと好送球がなければ、成功していた。スタートは悪くなかった。

 

 大谷の盗塁の進化の理由はコーチにあるのではと聞くと、「いくつかの盗塁は助けになっていると思うけど、彼はとても頭がいいからね。彼がコンピューターを見て、『これ見てよ』と我々に教えてくれることもある。そして、その感じたことを他の選手に共有することもある」と語る。

 さらに、コーチは続けた。「ビデオでみんなとこういう傾向があると確認した後に、実際の試合では(スピードが)速すぎて分からないということもある。でも、この傾向があるから、試してみようとトライして成功することもある。カード頭や試合の前にみんなで話し合っているんだ」。

 大谷はドジャースについて「みんなプロ意識を持って一人一人が試合だけでなく、その前の取り組みもそうだし、毎日やるべきことをしっかりとやっている」と話していた。個々の取り組み、能力は当然高いが、それだけで勝てるほどメジャーは甘くない。チームとしての共有、工夫も優れているから、「勝てるチーム」になる。総合力で相手に襲いかかる。(阿部太郎)