【バレー】VNL福岡大会開幕「選手とファンの距離が最も近い」日本初のファンゾーン設置

AI要約

男子日本代表と女子日本代表の五輪出場をかけた「バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会」が開催される。

大会は日本で初めてVW(バレーボールワールド)と自治体がタッグを組んで開催され、選手とファンの距離感を近くする取り組みがされている。

地域の人々にも競技の認知向上を図りながら、環境や社会貢献に寄与する意義深い大会になることが期待されている。

【バレー】VNL福岡大会開幕「選手とファンの距離が最も近い」日本初のファンゾーン設置

 「買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会」(西日本総合展示場)は、男子の予選ラウンド(R)第2週が今日4日に、女子の予選R第3週が11日に幕を開ける。すでにパリ五輪(オリンピック)出場を決めている男子日本代表にとっては、ミュンヘン大会の金以来52年ぶりとなる五輪メダルに向けた前哨戦。女子日本代表にとっては、残り5枠となった五輪切符を懸けた最後の大一番となる。

 今大会は、スイス・ローザンヌに拠点を置く「バレーボールワールド(VW)」が、福岡県、北九州市とともに運営。VWが自治体と組んで行う国際大会は日本で初めてとなる。「選手とファンの距離感が最も近い大会になる」と話すのは、VW日本エリア代表を務める青山アリア氏(42)。その意義について尋ねた。

 -VWが自治体とタッグを組んで大会を開催するに至った経緯は

 「21年に国際バレーボール連盟(FIVB)からマーケティング部門が独立してできたのがVWです。新しい仕組みになってから、いかに『人々に近いところ』で大会ができるかを議論してきました。今までは競技自体にフォーカスしてきましたが、自治体と組み、バレーボールをその街の一貫した取り組みにできないかと。その思いに賛同してくれたのが福岡県でした。バレーボール大会のベースモデルを作りたいという夢を持ってスタートしました」

 -地域に密着することでどのような効果を期待しているのか

 「地域の子供たちからご年配の方まで、皆さんにバレーボールを楽しんでもらいたいと考えています。学校招待なども積極的に行っており、今大会では、日本戦以外ではありますが、県内25の小学校から6年生を1500~1600人招待する予定です」

 -選手とファンの距離を縮める日本初の取り組みもある

 「今大会では、日本で初めて『ファンゾーン』を導入しました。昨年フィリピンで行いましたが、ものすごく反響がありました。試合会場と練習場をつなぐ通路をミックスゾーンのようにすることで、チケットを持っていない人も選手を見られる構造になっています。選手との距離がとても近く、触れ合える場になることを期待しています」

 -会場に訪れたファンだけではなく、地域の人々に対しても競技の認知向上を図る機会になる

 「これは環境の観点からもすごく重要だと思っているところですが、選手たちには会場から宿泊施設まで、できるだけ自分の足で移動してもらうことを検討しています。街の人も選手たちを間近で見ることができるので、すごさを実感してもらえるのではないかと考えています。もちろん安全面を考慮して循環バスなども整備していますが、できるだけ地域の人たちとの距離を近づけられるような取り組みになればと考えています」

 -他にもフードロスや二酸化炭素(CO2)排出量の削減などさまざまな取り組みが見られる。どのような大会にしていきたいか

 「迎え入れてくださる自治体があるからこそ、この大会が開催できると思っています。地域の人たちが『バレーボールが自分たちの街にも来てくれたらうれしい』と思ってくれるようになってたらいいですね。今、日本チーム、特に男子代表は、東南アジアをはじめ世界中で、ものすごく人気があります。今や自国のチームじゃなく、日本チームを応援しているというファンも多いです。せっかくとても良い波がきているので、バレーがスポーツの枠にとどまらず、いかに地域や社会貢献につなげられるか。これからは、その点がすごく重要になっていくと思います」

 ◆ネーションズリーグ 18年にFIVBが「ワールドリーグ」に代わる大会として新設。世界のトップチームが男女16チームずつ参加し、各国を転戦してリーグ戦を行う。予選Rでは各チームが12試合で順位を決定。ファイナルRには予選Rの上位7チームと開催国の計8チームが出場し、その後はノックアウト方式のトーナメント戦で優勝チームを決定する。