「コンゴウ」っていったい何のこと? 美しく鮮やかで輝くような色のコンゴウインコたち

AI要約

コンゴウインコは美しい羽色を持つ鳥で、熱帯雨林の中南米に生息する。社会性が高く、群れを作りながらコミュニケーションを取る。

独特のクチバシと工夫された舌を持ち、果物や種を割ったり取り出したりする。つがいになると一生添い遂げ、共に繁殖や食事を楽しむ。

多くの種が絶滅の危機に瀕し、ペットとしての需要も高いが、生息地である熱帯雨林が急速に破壊されている。

「コンゴウ」っていったい何のこと? 美しく鮮やかで輝くような色のコンゴウインコたち

 コンゴウインコはインコ科に属する鳥で、美しく鮮やかで輝くような色の羽を持っている。緑の森や、色とりどりの果物や花に囲まれた中南米の熱帯雨林への適応だ。コンゴウは金剛、つまりダイヤモンドの意味。コンゴウインコは、大きくて力強いクチバシで木の実や種を簡単に割ることができる。乾いて表面がうろこ状になっている舌の中には骨があり、果物の中に入れ込んで中身を巧みに取り出せる道具となっているのだ。

 足先の指は物を握れるようになっていて、指を使って木の枝につかまったり、物をつかみとって持ったりできる。優美で上品な尾が自慢で、ほとんどが長い尾を持つ。

 コンゴウインコは賢く社会性のある鳥だ。多くの場合、10~30羽の群れを作っている。 彼らのギャーギャーという大きな鳴き声や鋭く甲高い鳴き声は森中に響き渡る。鳴き声を発することによって、群れの中でコミュニケーションを取り合ったり、縄張りの印としたり、互いを確認し合ったりしている。中には、人間の言葉を真似た鳴き声を出す種もいる。

 夜は群れをなして木の上で眠り、朝になると果物や木の実、昆虫、カタツムリといったエサを求めて遠くまで飛んでいくことがある。ときおり泥を食べる種もいるが、これはエサとなる果物に含まれる植物性の化学物質を中和し、消化器官を休めるためだと考えられている。

 コンゴウインコは、つがいになると通常一生添い遂げる。つがいは繁殖するだけでなく、食物を与え合ったり、互いに羽づくろいをして楽しんだりする。繁殖シーズンになると、母鳥が卵を温めて孵化させ、その間、父鳥は食物を採って巣に運ぶ役目を果たす。

 コンゴウインコは種の名前であると同時に、17種からなるグループの総称でもある。混同を避けるため、特に種としてのコンゴウインコをさすときにはアカコンゴウインコと呼ぶこともある。全17種のうちいくつかは絶滅の危機に瀕している。この鳥は愛嬌があり遊び好きなためペットとして人気が高く、多くが不法に捕獲され取引されている。そして、多くの種が生息地としている熱帯雨林もまた、急激な速さで消えつつある。

 スミレコンゴウインコ、アカミミコンゴウインコ、アオキコンゴウインコは深刻な絶滅の危機にあり、ウミアオコンゴウインコとアオコンゴウインコの野生種は既に絶滅している可能性がある。