300kgの巨体でも時速50km! で疾走、驚かせたときや子連れの母親は人も襲うヒグマの亜種

AI要約

ハイイログマはヒグマの亜種で北米に生息し、肉食動物として知られる。法によって保護される一方、密猟の対象にもなっている。

夏期になるとサケが遡上し、アラスカでハイイログマが集まり漁をする光景が見られる。冬眠中にメスが出産し、子どもは双子が多い。

ハイイログマは俊足で、時速50キロで走ることもある。広大な行動圏を必要とし、開発されていない土地が理想の生息地とされる。

300kgの巨体でも時速50km! で疾走、驚かせたときや子連れの母親は人も襲うヒグマの亜種

 ハイイログマはヒグマの亜種で北米に生息している。体毛は一般的に茶色だが、毛の先端が白いものや、名前の由来となった灰色のものもいる。米国本土では法によって保護されているが(アラスカ州では狩猟が認められている)、近年、数が回復しているとして保護の対象から除外してもいいのではという議論も起こっている。

 ハイイログマは、メスが子グマを連れている場合を除き、概ね単独で行動する。しかしサケが産卵のために遡上する夏期になると、アラスカの主な漁場では、ハイイログマが集まる劇的な光景を目にすることができる。この時期は、数十頭のハイイログマが同じ場所に集まって魚を堪能する。これは、やって来る長い冬をこすための栄養源となる脂肪を蓄えるためだ。

 ハイイログマは丘の斜面に巣穴をほって冬眠する。メスは冬眠中に出産する。子どもは双子であることが多い。強大なハイイログマは食物連鎖の頂点に君臨しているが、主なエサは木の実や野イチゴ、果実、植物の葉や根である。また、ほかの動物も捕食し、ネズミなどの齧歯(げっし)類からヘラジカまで食べる。

 ハイイログマは巨体にもかかわらず非常に俊足で、時速50キロで走った記録がある。驚かせたときや子連れの母グマに近付いたときなどに、人間に危害を加えることがある。

 ハイイログマはかつて北米西部の大半で暮らしており、グレートプレーンズ(北米中西部に広がる大平原)でも見られた。彼らは広大な空間を必要とし、行動圏は600平方マイル(約1550平方キロメートル)に及ぶこともある。ハイイログマにとって理想の生息地とは、餌となる食料が豊富で巣穴を掘るスペースが十分に確保できる、開発とは無縁の土地だ。

 ヨーロッパからの移民によってハイイログマは本来の生息地の大半から徐々に駆逐されてしまったが、今も米国のワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州、ワシントン州の一部で見ることができ、イエローストーン国立公園のシンボル的な動物の1つになっている。アラスカ州やカナダにも多くの野生のハイイログマが生息し、トロフィーハンティング(娯楽としての狩猟)の対象になっている。