地球の外でのベゾス対マスク、過熱する億万長者の「宇宙開発競争」

AI要約

ジェフ・ベゾス率いるブルーオリジンがNASAの火星探査ミッションに向けて新型ロケット「ニューグレン」の打ち上げ計画を発表した。

ニューグレンは地球低軌道に大きなペイロードを運ぶために設計され、NASAの宇宙飛行士ジョン・グレンにちなんで命名された。

ブルーオリジンのニューグレンは再利用可能で、スペースXの競合ロケットに挑戦する存在として注目されている。

地球の外でのベゾス対マスク、過熱する億万長者の「宇宙開発競争」

ジェフ・ベゾスとイーロン・マスクとの宇宙開発競争に最新の動きがあった。ベゾスが率いるブルーオリジンは米国時間8月26日、NASAの火星探査ミッションの一環として、米国時間10月13日にフロリダ州のケネディ宇宙センターから新型ロケット「ニューグレン」を打ち上げる計画を発表した。

ニューグレンは地球低軌道に大きなペイロードを運ぶために設計されたロケットで、これが初の打ち上げとなる。

ニューグレンの打ち上げのニュースは、NASAの火星探査機「EscaPADE(エスカペイド)」ミッションに関する発表会のメディア向け招待状で明らかになった。

このロケットは、NASAの宇宙飛行士ジョン・グレンにちなんで命名されたものだ。彼は、1962年に地球を3周した最初の米国人宇宙飛行士である。

■打ち上げの詳細

ブルーオリジンは、10月13日を目標に、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地にあるスペース・ローンチ・コンプレックス36からニューグレン1号ロケットの打ち上げを予定していると、NASAのEメールには書かれている。

この発表は、ブルーオリジンが8回目の有人飛行ミッションとなる「NS-26」の打ち上げ準備を進めている最中に行われた(打ち上げ予定日は現地時間8月29日)。そのミッションに使用される再利用型ロケットの「ニューシェパード」は、米国中部標準時(CDT)の午前8時にテキサス州西部にあるブルーオリジンの施設(Launch Site One)から打ち上げられ、6人の宇宙旅行者を乗せて、地表から約62マイル(100キロメートル)上空の、地球と宇宙空間の境界線であるカーマン・ラインを越える。

■再利用可能ロケット

ベゾスが所有するブルー・オリジンは、これまで10年以上にわたってニューグレンの開発に取り組んできた。ニューグレンの高さは98メートルで、これまでに製造され打ち上げられたロケットの中でも最大級かつ最も強力なロケットの1つだ。

ニューグレンの第1段に搭載される7基のBE-4エンジンは、液化天然ガスと液体酸素を燃焼する。ブルーオリジンによれば、このロケットは地球低軌道まで約45トンのペイロードを運ぶことができ、第1段は地球に帰還し、部分的に再利用可能である。再利用可能な第1段は、約620マイル(1000キロメートル)下の大西洋にあるプラットフォームに着陸する。

■大型ロケット

ニューグレンは、ファルコンヘビーとスターシップという2つの大型ロケットを持つ、イーロン・マスク率いるスペースXに挑戦状を突きつける存在だ。スペースXによると、ファルコンヘビーの高さは70メートルで、地球低軌道まで約64トンのペイロードを搭載することができる。

一方、スターシップは「スーパーヘビー」と呼ばれるブースターを搭載すると高さ121メートルになり、100~150トンのペイロードを搭載可能だという。スターシップは、最大100人の人間を含むペイロードを地球周回軌道に運ぶことを目的としており、軌道上で燃料を補給すれば、より遠くまで運ぶことができる。