皮を食べないと大損する野菜や果物、トマトやニンジン、柑橘類やキウイも!

AI要約

果物や野菜の皮には豊富な栄養素や抗酸化物質が含まれており、その健康効果に期待が高まっている。

皮を食べることで栄養価を高めることができるが、残留農薬には注意が必要である。

皮に含まれる栄養や食べ方、洗い方などについて詳細に解説している。

皮を食べないと大損する野菜や果物、トマトやニンジン、柑橘類やキウイも!

 果物や野菜の皮をむいて捨てている人は、せっかくそこに含まれている豊富な栄養素や食物繊維、ファイトケミカル(ポリフェノールやカロテノイドなど植物に含まれる物質)を捨ててしまっているかもしれない。

 2023年1月に学術誌「Current Research in Food Science」に掲載された研究によると、リンゴや桃、柿の皮には、果肉や種よりも高い濃度の抗酸化物質(ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンなど)が含まれているという。ザクロなど一部の果物の皮は、抗酸化作用が果肉よりもはるかに高いという報告も2003年の研究で出ている。

 皮を摂取することで得られる健康効果への期待は高く、パンやビスケットなどに果物や野菜の皮を加えて、栄養価を高めている食品メーカーもある。

 皮を食べると食品廃棄物を減らせるだけでなく、栄養面のメリットもある。その理由を、米ニューヨーク市ブロンクスにあるアルバート・アインシュタイン医科大学の登録栄養士であるキース・アユーブ氏はこう語る。

「皮は色が濃い部分ですから。色は抗酸化物質の存在を示すものなので、栄養学的にみて色には力があるのです」。抗酸化物質には、汚染物質や紫外線、フリーラジカル(遊離基)と呼ばれる不安定な分子などにより細胞が損傷するのを防ぐ働きがある。

「皮は果物や野菜を保護する層で、日光や雨、害虫などから自らを守るファイトケミカルなどの物質が集中する傾向があります」と、米サンディエゴを拠点に活動する栄養士で公衆衛生コンサルタントのウェンディ・バジリアン氏は説明する。

「この防御メカニズムは、私たち人間の健康にもよいものです。果物や野菜の皮をむくのは、いわば栄養の一部を削ぎ落とす行為です」

 だからといって、どんな果物や野菜の皮でも食べるべきだ、と言いたいわけではない。メロンやアボカド、パイナップルの皮はやめておこう。タマネギやニンニクの皮も必ずむくべきだ。

 皮を食べられるものであっても、出回っている果物や野菜には、残留農薬がついている場合もあるので、しっかり洗うことが大切だ。

「野菜用のブラシやペーパータオルを使い、きれいな水で皮を洗いましょう」と、米ニューヨーク大学の栄養学の特任教授であるリサ・ヤング氏はアドバイスする。もちろん、有機栽培の果物や野菜も、洗って汚れや雑菌を落とそう。

 ここからは、皮に含まれる栄養を果物・野菜別にみていこう。また、いつもは食べていない皮をどうすれば食事に取り込めるのか、アイデアも紹介する。