「ペロブスカイト太陽電池」成膜しやすく、京大が開発した正孔回収材の効果

AI要約

京都大学のチョン・ミンアン助教と若宮淳志教授らが開発した濡れ性の高い正孔回収単分子膜材料は、ペロブスカイト太陽電池向けに最適化されており、光電変換効率は21・7%に達する。

新材料は四つの突起を持つ消波ブロック型の分子構造を持ち、ホスホン酸が正孔回収層の上下をつなぐアンカーの役割を果たすことから、従来の課題を解決している。

この成果をもとに京大発ベンチャーが実用化を進めており、不活性ガス雰囲気下での安定性も確認されている。

「ペロブスカイト太陽電池」成膜しやすく、京大が開発した正孔回収材の効果

京都大学のチョン・ミンアン助教と若宮淳志教授らは、ペロブスカイト太陽電池向けに濡れ性の高い正孔回収単分子膜材料を開発した。四つの突起を持つ消波ブロックのような分子構造をとる。正孔回収層の上にペロブスカイト層を成膜しやすく、光電変換効率は21・7%となった。京大発ベンチャーで実用化を進める。

四つのインドールが縮合した消波ブロック型の正孔回収分子を開発した。インドールの窒素原子からホスホン酸を伸ばして、電極とペロブスカイト層と接続する。

従来の正孔回収材料は疎水性が高く、ペロブスカイト層を塗っても弾いてしまう課題があった。新材料はホスホン酸が正孔回収層の上下をつなぐアンカーの役割を果たす。光電変換効率は21・7%。不活性ガス雰囲気では100時間後も97%の性能を維持した。