「震源」「震源の深さ」からわかること~発生した地震の被害をイメージしてほしい~【暮らしの防災】

AI要約

地震速報のデータに基づいて、震源、震源の深さ、マグニチュードの意味を説明。

地震速報での情報は一般の人にも分かりやすく伝えられるように工夫されている。

大きな地震が起きた場合は専門家の指示に従い、安全な場所に避難することが重要。

「震源」「震源の深さ」からわかること~発生した地震の被害をイメージしてほしい~【暮らしの防災】

地震速報の字幕やコメントでは「気象庁によりますと、震源は〇〇(地名)、震源の深さは〇〇キロ、地震の規模を表すマグニチュードは〇〇です」と伝えています。今回は「震源」と「震源の深さ」とは何かを、能登半島地震のデータに基づき説明します。

<震源>

「震源」は地震が発生した場所、地中の岩盤が最初に割れ始めた点です。

能登半島地震では珠洲市になります。ここから地下の岩盤が割れ始めました。

<震源域>

岩盤の破壊は周囲に広がっていきます。この破壊された範囲が「震源域」です。

気象庁などによると、能登半島地震では約150kmの岩盤(活断層)が割れました。

このような大きな岩盤破壊だったためマグニチュードは7.6になりました。

<震源の深さ>

震源の真上を「震央」と言います。震源(地中)から震央(地表)までの距離が「震源の深さ」です。

震源が浅いと地震の揺れは大きくなります。

 「震源」「震源の深さ」「マグニチュード」で、どこでどんな地震が起きたのかが大まかですが把握できます。

 みなさんがいる場所から近いところで起きたのか、遠いところで起きたのか、震源の近くに知人がいる場合そこに被害が出る可能性があるのか。

 発生した地震が、みなさんや知人に影響があるかどうか、その可能性を知っていただきたいために伝えています。

 震源が浅くてマグニチュードが大きいと地面の揺れは大きくなりますし、震源が海底や海の近くの場合は津波の恐れがあります。

 能登半島地震は、震源は能登半島、震源の深さは16km、マグニチュードは7.6でした。

 震源が浅く、マグニチュードが大きいので能登半島を中心に激しい揺れが襲いました。

 海底の活断層まで破壊が及んだので大津波が発生しました。

 このように地震速報で伝えるデータで、一般の人でも大まかですが「どこでどんな地震が起きたのか」は把握できます。

とは言え、大きな地震の時は放送のアナウンスコメントや専門家の解説から情報を得てください。

 しかし、揺れが大きく震源が海底や海の近くの場合は、津波の恐れがあります。まず避難です。安全な場所に避難してから情報収集を始めてください。

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 被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。

■五十嵐 信裕

 東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。