車長14mm・重さ0.5g…天井を登るマイクロロボットの機能

AI要約

岡山大学の赤栩拓郎大学院生と真下智昭教授によって開発されたマイクロロボットは、磁力を使って壁や天井を登ることができ、重さが軽いため逆さまでも安定して移動できる。

さらに、小型の移動ロボットも開発されており、超音波モーターを搭載し、狭い場所にも容易に進入できる特長を持つ。

これらのロボットは、主にインフラ点検や配管点検などの用途に活用されることが想定されており、内部状態を把握しやすくすることで効率的な作業計画を立てることができる。

岡山大学の赤栩拓郎大学院生と真下智昭教授は、天井や壁を登るマイクロロボットを開発した。車長は14ミリメートルで重さは0・5グラム。磁力で壁面に取り付く。軽いため天井面で逆さまになっても落ちない。インフラや配管の中などの天井面は汚れが比較的少ない。天井に張り付いて進む点検ロボを目指す。

大きさが2ミリメートル立方のマイクロ超音波モーターを駆動力とする4輪小型移動ロボを開発した。超音波モーターは振動子の摩擦で回転力を発生させる。体積当たりのトルクが大きく、小型化に向く。モーターには3段式の遊星歯車減速機を取り付け、0・1ミリ―0・3ミリニュートンメートルのトルクを確保した。

機体は車長が14ミリで車幅が10ミリ、車高は5・4ミリメートル。直径20ミリメートル未満の細径管に進入できる。重さは479ミリグラムと軽い。車輪がネオジム磁石になっており、金属製の面に吸着する。実験では垂直壁面や天井面を推進できた。最大1・5グラム程度の可搬重量がある。センサーを装着すれば狭所の情報を集められる。

今後モーターを追加するほか、回転数制御などの機能を導入する。インフラ保守で想定されている配管点検ロボットは、床を車輪などで進む機体が中心。床面は液体や堆積物がたまり、進入の障害になることが多かった。壁面や天井面からアプローチできると清掃作業の前に内部状態を把握できる可能性がある。仮調査と清掃後に本格的に点検に移るなど、一連の計画を立てやすくなる。