月面探査機SLIM、4度目の復活を断念「今後も可能性は低い」

AI要約

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月に月面着陸した月探査機SLIM(スリム)との通信再開を断念し、約2週間続く零下170度の極寒の夜を生き延びる「越夜」を3回達成した。

搭載機器が壊れた可能性があり、SLIMとの通信再開は低いと判断されている。SLIMは休眠状態に入り、通信試みが応答なしとなった。

SLIMは設計を超えて活動し、プロジェクトチームは得られた知見や観測データの分析を進めている。

月面探査機SLIM、4度目の復活を断念「今後も可能性は低い」

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、1月に月面着陸した月探査機SLIM(スリム)との通信再開を断念したと発表した。約2週間続く零下170度の極寒の夜を生き延びる「越夜」を3回達成してきた。

 SLIMに搭載した機器が壊れた可能性があり、JAXAは「今後SLIMと通信できる可能性は低いと考えています」としている。

 JAXAによると、SLIMは4月23日に3度目の越夜が確認された後、休眠状態に入った。

 その後、太陽光が太陽電池パネルに当たる5月下旬に続き、6月21~27日にも通信を試みたが、いずれも応答はなかった。

 SLIMはもともと越夜を想定した設計ではなく、大半の機器が設計で想定した期間を超えているという。

 プロジェクトチームはX(旧ツイッター)で「ここまで得られた知見や観測データについての解析も急ピッチで進めております。引き続きSLIMプロジェクトやその先のさらなる宇宙探査について、応援の程、よろしくお願いいたします」と投稿した。(佐々木凌)