総合診療クリニック、普及のアイデア

AI要約

国、医学部・大学病院、自治体、開業医師を対象に、総合診療クリニックの普及を促進するアイデアを提案。

国には開業医師を支援する費用面の援助や国立総合診療クリニックの設置を提案。

医学部・大学病院には学生に総合診療の必要性を教育し、開業医師を育成するプログラムを導入することを提案。

総合診療クリニック、普及のアイデア

 「国」「医学部・大学病院」「自治体」「開業を考えている・既に開業している医師/医学部生・研修医」に分け、それぞれに期待する総合診療クリニック普及に向けたアイデアをお話ししたいと思います。読者の中に関係者がいましたら、伝えていただけたら幸いです。

 このままでは日本の医療の土台である地域医療が守れなくなります。「All for One」の精神で、さまざまな職種の方たちが地域医療を真面目に勉強し、発言し、行動する必要があります。高齢者の健康を維持するために何ができるのかを考え、どこに受診すればいいか分からない体力の落ちた高齢者を減らさないといけません。

 まず国に対して申し上げたいのは、政治の力で何とかしないと時間的に間に合わないということです。ご承知の通り、開業するのは医師の自由で、診療内容も自由です。受診に来た患者を平気で断ることもできます。ここに強制的に罰則を与えるのは難しいと思います。

 開業すること自体に多額の借金が必要で、医師にとってハードルが高くなっています。そこで総合診療クリニックを開業するときの費用面の援助をお願いしたいのです。

 あるいは、国が総合診療クリニックを開設し、そこで医師を雇用するような「国立」の仕組みを、全国各地(おおむね人口2万人に1カ所)に設けるアイデアはいかがでしょうか。そこは、受診した患者をまず診ることが必須になります。いろいろな意見が出ると思いますが、一つの案として提案いたします。

 医学部・大学病院には、医学部教育の中で地域医療、特に総合診療クリニックの必要性を医学生に勉強させてほしいと申し上げたい。まだ医学のことを知らない学生にしっかり勉強してもらい、将来開業する医師を育てていただきたいのです。

 大学病院での研修中に、終了後10年で開業できる総合診療かかりつけ医開業プログラムを作るのはいかがでしょうか。開業できる知識を勉強させてサポートします。開業後も医師を派遣し、病診で連携を取れば、患者はクリニックに通院します。開業サポートでも、A大学付属総合診療クリニックといった形でもいいと思います。

 総合診療クリニックには、別に総合診療専門医でなくても勤務できます。総合診療、外科、救急など一通りcommon disease(一般的な病気)を勉強すれば問題ありません。これを読んでいる医学部関係者の方々も考えてみてください。