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意思に反して、跳びはねる、舌を突き出す、汚い言葉を発する 「チック」かも 治療法は?…症状が1年以上続けば「トゥレット症」
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「チック」です。
「チック」は、意図していない体の動きや声の出方を指し、幼少期には8人に1人くらいの割合で見られます。
チックは体内の神経伝達物質のドーパミンの影響に起因し、トゥレット症として症状が1年以上続く場合もあります。治療法は薬物療法と行動療法が基本であり、専門的な治療が必要な場合は医師の紹介が必要です。
チックを持つ人への接し方として、指摘や批判を避け、普通に接することが大切です。専門的な相談機関や専門医の支援も受けることが重要です。
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「チック」です。
Q 「チック」って何?
ヨミドック 意図していないのに、体が素早く動いたり、声が出たりする症状のことです。まばたきや肩をすくめるといった「運動チック」と、せき払いや鼻すすりをする「音声チック」があります。
Q どれだけの人に出る?
ヨ 軽いものも含めると、幼少期には8人に1人くらいに見られます。小学校入学前後の子どもには珍しくなく、多くは自然に消えます。多様な運動チックと音声チックが1年以上続く場合は「トゥレット症」と診断されます。
Q はじめて聞いたよ。
ヨ トゥレット症は、幼少期には300人に1人くらいいます。成長して改善することが多いのですが、症状が続く人もいます。子どものチックが悪化してトゥレット症になるわけではありません。
原因は、脳内で神経伝達物質のドーパミンが過剰になることです。生まれつきの体質が大きく、親の育て方や本人の性格は関係ありません。
Q チックはどんな時に表れるの?
ヨ 一日中見られますが、不安や緊張が増した時や、強い緊張から解放された時などに強まります。起こる前はムズムズ感、またはチックをせざるを得ない強い衝動を感じることが多く、自分で止めようとしても難しいのです。
Q 治療法はあるの?
ヨ 日常生活に困難をきたす場合には、治療することがあります。基本は薬物療法と行動療法です。薬物療法は、ドーパミンの働きを調整する薬で症状の緩和を図ります。薬で根治はできません。
Q 行動療法って?
ヨ チックの動きを打ち消す行動を身につけます。▽手を動かしたいなら腕で押さえる▽跳び上がりそうなら足を上げて跳べなくする――などです。病気とのつきあい方を教える心理教育も重要です。
Q 相談できる所は?
ヨ まずかかりつけの小児科を受診しましょう。専門的な治療が必要なら、児童精神科や小児神経科を紹介してくれます。本人や家族を支援する「日本トゥレット協会」が無料電話相談も行っています。
Q どう接したらいい?
ヨ チックはわざとしている行動ではなく、本人が一番困っています。チックを批判せず、指摘もせず、普通に接することが大切です。(西田真奈美/取材協力=岡田俊・奈良県立医大教授、NPO法人日本トゥレット協会)