エイベックスが挑む「大麻布」の商品化、日本のものづくり文化を世界へ

AI要約

大麻(ヘンプ)は日本の歴史に根付いた素材であり、昔から繊維素材として活用されてきた。現在は大麻布文化を復活させるプロジェクトが進行中であり、約1万年の歴史があると言われる。

大麻布は江戸時代に日本で精巧に織られ、一般の農家の人たちによって手作業で作られていた。衣食住のあらゆる場面で活用され、日本人にとっては生活の一部だった。

エイベックスの「majotae(マヨタエ)」プロジェクトは、大麻布の魅力を現代に甦らせ、世界に持続可能な生活様式を伝えることを目指し、2024年にはミラノサローネでテキスタイルを披露する予定だ。

エイベックスが挑む「大麻布」の商品化、日本のものづくり文化を世界へ

「大麻」と聞くとどういった印象を抱くだろうか? 危険な薬物として認識している人も多いかもしれない。しかし、大麻(ヘンプ)はアサ科の一年草として、日本では昔から繊維素材の「麻」として活用されてきた一面があり、神事に関係する場面などでも用いられてきたことも含め、日本人と関わってきた歴史は1万年ともいわれるほど壮大な物語が存在しているという。

そうした素材としてのヘンプの歴史を紐解き、日本人が忘れかけている「大麻布」の魅力を現代に甦らせることで、これまで日本において大麻布文化が育んで来た、自然との共存や持続可能な生活様式を世界へ伝えているのがエイベックスの「majotae(マヨタエ)」プロジェクトだ。また、現在、日本では大麻取締法でその栽培などが厳しく管理されているが、都道府県知事の認可を受ける形で大麻栽培は少数ながら行われており、栽培されているヘンプも違法な大麻成分(THC:テトラヒドロカンナビノール)をほとんど含まないものとなっている。

2011年からスタートした同プロジェクトは2024年、その集大成としてmajotaeのテキスタイルを世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ(ミラノデザインウィーク)」で披露した。

今回は、そんなmajotaeついてプロジェクトチームの渡部宏和氏に、大麻布に対する想いやミラノサローネで得た感覚、今後の展望などについてお話を伺った。

■大麻布の歴史とmajotaeとしての挑戦の歩み

江戸時代、大麻の織物は丁寧な手仕事により精巧に織られていた。大麻繊維は何度も水にさらして天日干しをすることで柔らかくなっていく性質をもっている。そしてそれらは、名の有る職人や、人間国宝のような人ではなく、一般の農家の人たちが手作業で作っていたとされている。つまり、衣食住のさまざまな場面で活用されていた大麻は、日本人にとってあたりまえに生活の中にあった存在だったのである。