花巻・豊沢ダム貯水量危機 渇水対策で6月「番水」

AI要約

花巻市の豊沢ダムの渇水対策として、豊沢川土地改良区が6月2日に番水を始めることを発表した。

1973年の水不足状況を下回る危機的な状況において、出穂期の田んぼに水不足が及ばないよう備えるための措置。

豊沢ダム周辺の降水量減少や高温で風の強い日が多い影響を受け、ダム貯水量が過去よりもさらに不足している状況。

花巻・豊沢ダム貯水量危機 渇水対策で6月「番水」

 花巻市の豊沢ダムの渇水が懸念されることから、豊沢川土地改良区(久保田泰輝理事長)は、用水路の水を北部と南部の田んぼが交替で取水する「番水」を、6月2日に始める。記録的な少雨で渇水に見舞われた1973年の貯水率を下回る危機的な状況。これまでも「中干し」に合わせて断水を実施したことはあるが、番水は初めてで、出穂期に水不足にならないよう備える。

 花巻市の北上川以西と北上市飯豊、成田をエリアとする同改良区は、豊沢ダムの水を約4250ヘクタールの田んぼに供給している。例年5月上旬のダムへ流入量は毎秒4~6トンあるが、今年は1トンを下回る日もあるなど、この冬の少雪で水量が減っている。

 また豊沢ダム周辺の降水量は過去10年平均を100とすると、4月は66・7%、5月は38・7%にとどまっているのに加え、例年に比べ高温で風が強い日が多く土が乾き、必要とする用水量も多くなっている。

 ダム貯水量は過去30年平均で2000万トンほどあるところ、今月27日午前9時現在で約760万トン(貯水率33%)と、1973年や2019年などの渇水よりもさらに厳しい状況。今後まとまった降雨が見込まれず計画通り通水すると、6月16日にはゼロになるため、貯水量確保のため通水制限を実施することにした。