能登半島地震の津波浸水、当初調べから倍増370ヘクタールか…輪島市北岸などで広範囲に痕跡

AI要約

能登半島地震で発生した津波の浸水面積が従来の調査よりも大きく、北部6市町で370ヘクタールに達した可能性が示された。

調査チームは、国土地理院の写真を使用して浸水範囲を調査し、珠洲市から能登町にかけて広範囲に津波の痕跡が確認された。

津波被害の深刻さが再確認されるとともに、改めて対策の必要性が浮き彫りとなった。

 能登半島地震で発生した津波の浸水面積は、半島北部の6市町で計370ヘクタールに及んだ可能性があることが、大分大などの解析で分かった。国土交通省による当初の調べでは190ヘクタール程度とされたが、ほぼ浸水していないとみられていた石川県輪島市の北岸などでも津波の痕跡が見つかったという。

 同大減災・復興デザイン教育研究センターの岩佐佳哉助教らの研究チームが27日、千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で発表した。チームは国土地理院の高解像度の航空写真で、流された車やがれき、土砂など津波の痕跡を探した。その結果、同県の珠洲、輪島、志賀など6市町の広範囲で浸水していることが確認できた。浸水面積は東京ドーム約80個分に相当する。

 珠洲市から能登町にかけては、沿岸から数百メートル内側まで津波が到達している所もあった。岩佐助教は「深刻な津波被害が改めて浮き彫りとなった」と話した。