【袴田事件 】一家4人殺害の強盗殺人放火事件から58年…再審判決は9月26日 これまでの経緯

AI要約

1966年、静岡県清水市で起きた袴田事件について、続いてきた裁判が結審を迎え、判決は9月26日に言い渡される。

袴田さんは無罪を主張していたが、一度死刑判決を受け、後に再審開始が決定されるまで服役していた。

再審開始以降、犯行着衣の証拠に関する議論が進み、裁判のやり直しを認める結論が出された。

【袴田事件 】一家4人殺害の強盗殺人放火事件から58年…再審判決は9月26日 これまでの経緯

2023年10月から続いてきた、いわゆる袴田事件のやり直しの裁判が5月22日に結審を迎えました。判決は9月26日に言い渡されます。この事件のこれまでの経緯を振り返ります。

1966年、当時の静岡県清水市で味噌会社の専務一家4人が殺害され、現金が奪われたうえ自宅が放火される事件が発生しました。

逮捕されたのは味噌会社で働いていた袴田巖さん(88)。当時30歳でした。

袴田さんは当初犯行を否認していましたが、連日10時間を超える取り調べの末に犯行を自白しました。供述を録音した当時のテープが残っていました。

袴田巌さん:

大変に恐ろしいことをやったと思ってます。もう夢中で見られちゃったからしょうがないと

しかし、裁判では一貫して無罪を主張。

裁判所も45通の自白調書のうち44通は強要された疑いがあるなどとして認めませんでした。

ところが、事件から1年2カ月後に味噌工場のタンクから発見された「5点の衣類」について、裁判所は犯行着衣と認め袴田さんに死刑判決を言い渡しました。

そして1980年、最高裁は上告を棄却し死刑が確定しました。

弁護団は裁判のやり直しを求め事件から47年以上が経過した2014年、静岡地裁の村山浩昭 裁判長(当時)はやり直しの裁判の開始を決定。

袴田さんの死刑執行の停止を命じ釈放を認めました。この時、袴田さんはすでに78歳となっていました。

元裁判官・村山浩昭さん:

健康状態が非常に危ぶまれていました。後でどういう批判を受けようとも私たちとしては釈放するしかないという結論になったということです

検察は不服を申し立てる「即時抗告」を行い、東京高裁は裁判の開始決定を取り消しました。

しかし2023年3月、差し戻された東京高裁が出した結論は…

松下翔太郎アナウンサー:

弁護団が2人出てきました。再審開始です。再審開始です

東京高裁は5点の衣類に残る血痕の赤みについて「赤みは消失すると推測される」「犯行着衣であることに合理的な疑いが生じる」と指摘。「捜査機関の証拠のねつ造の可能性がある」として裁判のやり直しを認めました。

検察側は「主張が認められなかったことは遺憾である」とコメントしたものの特別抗告はせず、やり直しの裁判の開始が確定しました。