社会人野球の大福ロジスティクス(甲佐町)今季限りで廃部

AI要約

運送・倉庫業の大福物流グループが、硬式野球部「大福ロジスティクス」を今季限りで廃部することが分かった。

ドライバー不足が深刻化し、人材確保に投資する必要があるため、若手社員を確保するための野球部を廃部することになった。

部員たちは他の企業やプロ野球チームへの移籍を考えながら、活動を終えることになる。

社会人野球の大福ロジスティクス(甲佐町)今季限りで廃部

 運送・倉庫業の大福物流グループ(本社・甲佐町)が、硬式野球部「大福ロジスティクス」を今季限りで廃部することが18日、分かった。社会人野球チームとして2020年に創部し、都市対抗野球や日本選手権への初出場を目指してきたが、28日に大津町である公式戦を最後に活動を終える。

 若手社員の確保や、高校野球経験者に競技を続ける機会を提供しようと野球部を創設。ただ、業界でドライバー不足が深刻化しており、同グループは「運転手の人材確保に向けた賃上げなどに優先投資する必要がある」と判断した。これまでに引退や退部した選手は全員が会社を辞めており、人材確保にもつながらなかった。

 大福物流の木村嘉宏社長は「廃部は苦渋の判断。チームは全国大会を目指して必死になって戦ってくれていた」と話した。

 今季は新加入8人を含む部員23人が運転手や倉庫作業員として働き、終業後に練習。12人は現役続行を希望しており、移籍先の企業や独立プロ野球のチームを探す。甲佐町に整備した選手寮は社員向けに転用し、隣接する屋内練習場の活用策は今後検討する。

 大福ロジスティクスは、16日まで大分県で開かれた社会人野球日本選手権の九州地区予選で、今年の都市対抗に出場した沖縄電力などを破ったが、本大会出場はならなかった。

 熊本県内の社会人野球チームはホンダ熊本、熊本ゴールデンラークス、九州工科自動車専門学校の3チームとなる。(宮﨑達也)