グーグルやMSら警鐘、生成AIでITエンジニアは不要になる?「90%以上影響」の詳細

AI要約

AIコンソーシアムが発表した最新レポートによると、IT関連職の90%以上が変革の波にさらされる時代が到来している。

生成AIの登場により、AI活用が増加し、IT関連職におけるスキル需要が大きく変化している。

特にビジネス/管理、データサイエンス、デザイン/UX分野で大きな変革が予想され、AI倫理やプロンプトエンジニアリングなどの新しいスキルが必要とされる。

グーグルやMSら警鐘、生成AIでITエンジニアは不要になる?「90%以上影響」の詳細

 グーグル、マイクロソフト、IBM、シスコなどからなるAIコンソーシアムが発表した最新レポートによると、IT関連職の90%以上が変革の波にさらされる時代が到来している。特にエントリーレベルとミッドレベルの職種で大規模な影響が予想され、ビジネス/管理分野では62.5%の職種が「高度な変革」に分類され、AI倫理やプロンプトエンジニアリングといった新しいスキルも必須となる。アクセンチュアらITコンサルも「3年後に我々はなくなるかもしれない」との大号令がかかっている状況だ。AIがどこまで業界を変革し、我々にどのような未来をもたらすのか、レポートの分析結果と合わせてお伝えしたい。

 生成AIの登場で、多くの企業でAI活用が増えたのは明らかだ。現在では小型言語モデル(SLM)の躍進、オープンソースLLMの飛躍的な性能向上などにより、AI開発はさらに加速、ユースケースも爆発的に増える見込みとなっている。この状況下、IT関連職におけるスキル需要が大きく変化しており、リスキリングの必要性が高まっている。

 グーグル、マイクロソフト、IBM、シスコなどからなるAIコンソーシアムが2024年7月に発表した最新レポートでは、生成AIがもたらすIT関連職への影響が分析され、各職種におけるスキル動向が明らかにされた。注目すべきは、IT関連職の90%以上が、AIによって大きく、あるいは中程度に変革される可能性があるという点だ。

 レポートは、7つの「職種グループ」にわたる47の具体的なIT職種を分析。特に、ビジネス/管理、テスト/品質保証、サイバーセキュリティ、データサイエンス、デザイン/ユーザーエクスペリエンス(UX)の分野で大きな変革が予想されている。たとえば、ビジネスと管理分野では、62.5%の職種が「高度な変革」、37.5%が「中程度の変革」にさらされると分類された。

 レポートによると、エントリーレベルとミッドレベルの職種が最も大きな影響を受ける可能性があり、エントリーレベルの37%、ミッドレベルの40%が「高度な変革」に分類されている。これは、AIツールが新人社員の能力向上を加速させる可能性を示唆するもの。

 コンソーシアムは、AIの影響に対応するため、企業、教育機関、労働者それぞれが取るべき行動を提言している。企業にはAIトレーニングへの投資を、教育機関にはカリキュラムの更新を、労働者には生涯学習の重要性を強調。また、今後重要性が増す10のスキルとして、AI倫理、プロンプトエンジニアリング、大規模言語モデル(LLM)アーキテクチャなどを挙げている。一方で、基本的なプログラミング、マニュアルコンテンツ作成、基本的なデータ管理などのスキルは重要性が低下すると予測している。

 以下では、特に大きな変革が予測される各職種グループについて、その詳細を見ていきたい。