食品ロス問題に取り組む神戸・元町商店街の青果店 住民の“インフラ”として「地域一体で店作りを」

AI要約

「中央卸売市場直送 お野菜与一」という青果店が神戸市中央区の元町商店街にオープンした。食品ロス問題に取り組みながら地域のインフラとしての役割を果たすことを目指している。

「ヤマヨ山本商店」の新たな業態であるこの店では、廃棄される農産物を値段を抑えた形で販売しており、地域の人々に楽しくて良質な商品を提供している。

元町商店街は青果店が多く、商店街全体で地域のインフラとして機能している。山本さんは、地域全体で協力し合いながら、住民にとって魅力的な買い物体験を提供したいと述べている。

食品ロス問題に取り組む神戸・元町商店街の青果店 住民の“インフラ”として「地域一体で店作りを」

 近年、様々な場面でクローズアップされることの多い“食品ロス”問題。この問題に取り組む青果店が今年5月、神戸市中央区の元町商店街にオープンした。問題の解決はもちろん、店単独の商売に留まるのでなく、地域一体となって住民にとっての“インフラ”となることを目指すという。経営者に話を聞いた。

 元町通6丁目に店を開いた「中央卸売市場直送 お野菜与一」は、中央卸売市場で豆腐類の卸売業を営む「ヤマヨ山本商店」の新たな業態だ。

 株式会社ヤマヨ山本商店 代表取締役社長の山本哲士さんは、中央卸売市場で働いているとき、少し季節外れになった商品や、大手の流通ルートに乗らないために客の手に届く前に省かれてしまう商品がたくさんあることに気付いたという。「世の中の大きな問題だと感じました。私たちの母体の会社は神戸の中央卸売市場で100年ほど商売をさせてもらっています(来年創業100周年)。こうした問題を提起しながら、神戸のお客様に少しでも良い商品を提供したいと小売りに踏み切りました」と山本さん。

 同店では、農家で作りすぎた商品や、賞味期限はまだ先にもかかわらず小売店のルールに基づいて店頭に並べられない商品を、値段を抑えた形で取り扱っている。山本さんは「日々、商品を売り切ります。毎日来ても『こんな商品があるんだ』と楽しんでもらえるような店作りを心がけています」と話す。

 店を構える元町商店街は、5キロほど先に中央卸売市場があるためもともと青果店が多いのだという。山本さんによると、周辺の人口が増加傾向にあるものの、大手スーパーが店を構えられる広い土地もないことから小売商が出店してインフラを支えている。

 山本さんは「商店街にある八百屋さんは、どこもすごく特徴的です。私たちも自分たちだけ生き残ればいいというわけではありません。この元町商店街、ひいてはこの神戸市中央区に住んでいる方々に日々の買い物を楽しんでいただけるお店作りを、地域一体となって進めていきたい」と締めくくった。

ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より