ロボットを遠隔操作し靴販売店で接客体験 障害者の雇用を進める新たな試み【長野市】
長野市の靴専門店「シューマート」で、障害者が遠隔操作するロボットが接客を担当している。
店の一角にいるロボット「オリヒメ」は、身振り手振りで客とコミュニケーションを取りながら商品のサイズ確認などを行う。
この取り組みは、障害者の雇用促進を目指す新たな試みであり、県民参加型予算の一環として展開されている。
店頭で接客をしているのはロボットです。こちらは障害を抱えた人が遠隔で操作しています。障害者の雇用を進める新たな試みです。
■客「これ買いたいなと思って来ました」
■ロボ「サイズは大丈夫ですか?」
長野市の靴専門店「シューマート」の一角。接客しているのは小さなロボットです。
その名は「オリヒメ」、愛らしい身振りで応対する姿はまるで人間のようです。
タッチパネル一つで手振りなどの操作が可能で離れた場所から客と会話ができます。
操作しているのはこちらの男性。
■島田稔さん「お子様の靴のサイズはお分かりになりますか?」
島田さんは手足のしびれを引き起こす難病を抱え車いすで生活しています。
ロボットを使った接客に挑戦しました。
■島田稔さん「コミュニケーションは大丈夫でした。レスポンスも早いですしいいかなと思います。こうやって動いて、車いすとか自分の家から出られない人が人とコミュニケーションを取るという意味では非常に良いと思います」
「オリヒメ」の導入は障害者の雇用促進を目指すシューマートの取り組みです。
■シューマート・霜田清社長「寝たきりの人でも接客ができるというロボットの存在を知りましたので実際に導入するための実験をしてみたいと思って」
寝たきりの子がいる母親にとっても希望の光です。
■山本里江さん「(子の)障害が重いと離れられなくて家でずっといるお母さんが多いので、そういうお母さんたちの仕事にもなれたらいいなと思う」
この取り組みは県が実施する「県民参加型予算」の一環です。
社会課題の解決を目指して民間企業などの新たな発想や問題意識を取り入れ共に事業を展開します。
■シューマート・霜田清社長「うちの店の利点はオープンなお店があるということなのでオープンな場所で障害のある方も一緒に生活をして一緒に働くというモデルが作れればと思っています」
「オリヒメ」の導入は障害者と健常者が共に生きる社会の実現に向けて大いに期待されています。