なんのお約束だ? ロボアニメの雄『ゲッターロボ』も例にもれず悲劇的結末だった!

AI要約

「ゲッターロボ」は永井豪先生と石川賢先生の作品で、独特の3体合体システムを持ち、子供たちに大きな影響を与えたアニメ。

最終回では敵の巨大メカに苦戦し、ゲッターロボが壮絶な戦闘を繰り広げる中、主人公の武蔵が特攻し戦死する悲壮なエピソードが描かれた。

物語の展開やキャラクターの決断が視聴者の印象に残る重要なエピソードであり、50年経った今でもその記憶が色褪せない。

なんのお約束だ? ロボアニメの雄『ゲッターロボ』も例にもれず悲劇的結末だった!

 画期的な3体合体システムを持ち、後の「合体・変型ロボット」の元祖になったのが、永井豪先生、石川賢先生とダイナミックプロ原作のアニメ『ゲッターロボ』です。今年で放送50周年を迎えた本作は熱狂的なファンを持つことでも知られています。

「流竜馬」「神隼人」「巴武蔵」という個性豊かな3人のパイロットが操るゲットマシンが合体、空中用の「ゲッター1」、地上・地中用の「ゲッター2」、海中用の「ゲッター3」に変形し、恐竜帝国のメカザウルス相手に活躍する姿を見て、胸躍らせた子供たちも多かったでしょう。

 しかし、1975年5月に放送された最終回「恐竜帝国のほろびる日」は悲壮感あふれるエピソードでした。なんとゲッターロボがまったく活躍しない上、武蔵が「特攻」して戦死してしまうからです。なぜ武蔵は「特攻」しなければならなかったのでしょうか。

 最終回以前から、ゲッターロボを擁する早乙女研究所と、帝王ゴール率いる恐竜帝国は、お互いの本拠地壊滅を目指してし烈な戦いを繰り広げていました。なお、帝王ゴールの上役にあたる真の支配者、大魔人ユラーが登場していたので、「帝王」と言いつつもゴールと配下のバット将軍、ガリレィ長官には、どこかブラック企業の中間管理職的な悲壮感が漂っていました。

 第50話「帝王ゴール 決死の猛反撃」では、失敗を重ねるゴールに業を煮やしたユラーが、巨大メカザウルス「無敵戦艦ダイ」を貸し与えます。身長38m、重量220tのゲッター1に対して、ダイは全長530m、重量250万t(数字は『ゲッターロボ全書』双葉社より)というとてつもない大きさです。戦車とフィギュアぐらいの差があるゲッター1はまるで歯が立ちません。しかも、集中砲火によってコマンドマシンの「早乙女ミチル」が瀕死の重傷を負ってしまいます。

 ここからが最終回です。ゲッターロボはなんとか窮地を逃れますが、ダイは進撃を続け、戦略爆撃機による爆撃で東京を壊滅に追い込みます。早乙女研究所では竜馬がゲッターロボでの出撃を訴えますが、「早乙女博士」は戦力差が大きすぎると却下。武蔵も竜馬に同調しますが、早乙女博士はにべもありません。

「それじゃ、何かね。武蔵くんは特攻隊のように、ゲッターロボで突っ込むべきだと言うのかね?」

「場合によっては仕方がないでしょう!」

 このふたりの会話がラストへの伏線になっているのが分かります。そうこうしている間に、無敵戦艦ダイは東京の中心部(「前楽園球場」があった場所)に腰を据え、基地を建設してしまいます。

 早乙女博士とゲッターチームは起死回生の策として、対空砲火のない爆撃機の発進ルートに三段ロケット弾をぶちこむ作戦を立てますが、武蔵の操縦ミスによって失敗に終わり、なんとゲットマシンは3台とも爆発炎上してしまいます。『マジンガーZ』も最終回で主役ロボットが大破しますが、こちらはあまりにもあっけない最期でした。なお、武蔵の操縦ミスは第1話でも描かれています(脚本はいずれも上原正三さん)。