"日本三大秘境"の村で30年続く「子ども落語」 存続の危機に立ち上がったのは落研出身の移住者男性 子どもたちと奮闘中

AI要約

宮崎県椎葉村の不土野地区では30年以上にわたり、子どもたちによる落語が行われています。

児童数や指導者の減少で存続の危機に直面しているが、移住者の男性が子どもたちと奮闘している。

男性は落研出身で村の図書館をきっかけに移住し、文化の継承と発展のために尽力している。

宮崎県椎葉村にある不土野地区では30年以上にわたり、子どもたちによる落語が行われています。

しかし、ここ数年、児童数や指導者の減少で、子ども落語は存続の危機におちいっています。

こうした中、文化の継承と発展のため移住者の男性が子どもたちと奮闘中です。

どのような取り組みが行われているのでしょうか。

■日本三大秘境の一つ椎葉村 子どもたちに度胸や表現力を

日本三大秘境の一つ椎葉村。

人口わずか2200人余りの小さな村で30年以上にわたり続いているものがあります。

それは、子どもたちによる落語です。

椎葉村の不土野小学校では、子どもたちに度胸や表現力を身につけてもらおうと1990年から授業の一環として落語を取り入れています。

(不土野小学校 川越 徹 教頭)

「子どもたちにも好きな話があるみたいで、好きなジャンルというか」

現在も、1年に1回、学校にはプロの落語家が訪れ、児童たちに指導しています。

(不土野小学校 川越 徹 教頭)

「30年ありますからね、春風亭柳之介師匠とのお付き合いですね」

■6年生が卒業すると児童数は3人に 存続が危ぶまれる

しかし、年々、少子化が進んでいる椎葉村。

不土野小学校の全校児童は8人ですが、6年生が卒業すると、来年度、児童数は3人に。

また、専門的な指導者も少なく、子ども落語は存続が危ぶまれています。

(不土野小学校 入山 真一郎 校長)

「私たちも落語に関しては素人ですので、技術的なところ、細かなところまではアドバイスできないというのが正直なところ。昔から続いてきているものは、子どもたちも守っていきたいというか、今後もやっていきたい思いはあるんじゃないかと感じている」

こうした中、今年、一人の男性が立ち上がりました。

文化の継承と発展のため子どもたちと奮闘中です。

■落研出身 村の図書館をきっかけに移住

熱心に落語の練習をしているのは、北海道出身の藤江 開生(かいせい)さん(25歳)。

大学時代に落語研究会に所属した藤江さんは、その面白さと奥深さにのめりこみました。

(藤江開生さん)

「これは4、50年前に、その当時の落語家がしゃべったものを、速記というか、書き起こしたものになります」