規格外サクランボ活用、和菓子に 木村屋(鶴岡)が開発中、来夏発売めざす

AI要約

菓子店・木村屋が規格外サクランボを活用した和菓子「さくらんぼ葛バー」を開発中。

サクランボは加工用に増えており、本県の初夏の味覚をPRする狙いも。

試作品を改良し、来年夏に発売予定。各種「葛バー」と共に販売予定。

規格外サクランボ活用、和菓子に 木村屋(鶴岡)が開発中、来夏発売めざす

 規格外サクランボを有効活用しようと、鶴岡市の菓子店・木村屋(吉野隆一社長)は葛(くず)ゼリー風の和菓子「さくらんぼ葛バー」の商品化に取り組んでいる。主力品種「佐藤錦」のピューレなどを使い、県工業技術センターと協力して試作品を開発。試食者の反応を踏まえて改良を重ね、来年夏の発売を目指す。

 サクランボは近年、高温障害による双子果などで、生食用に出荷できない加工用の割合が増えているという。新たな加工品を通し、本県を代表する初夏の味覚をPRする狙いもある。

 同社は6月からラズベリーや桃など5種類の「葛バー」を販売し、「さくらんぼ葛バー」もラインアップの一つと想定している。くず粉を使い、常温ではぷるんとした食感、凍らせるとアイスバーのような味わいが特長だ。

 7月から同センター庄内試験場と共同研究を進めている。生食の味に近づけるため、ピューレや同試験場が昨年開発した「サクランボ呈味パウダー」を活用。実の甘みや酸味の成分を分析し、クエン酸やブドウ糖などで味を再現した粉の分量を調整して試作した。

 NDソフトスタジアム山形(天童市)で8月31日に開催されたサッカーJ2・モンテディオ山形のホーム戦で、来場者に試作品150食を配った。アンケートでは「甘すぎず、しっかりサクランボの味がする」「食感がいい」などおおむね好評だった。一方で「桃の味に感じる」「もう少し酸味がほしい」との意見があった。

 今後はアンケート結果を基に、甘みを抑え、酸味を足すなどの改良を加える。同社の吉野真商品開発商品管理係長(39)は「県を代表する特産品を手軽に味わえるようにし、地域産業の活性化に貢献したい」と意気込む。