紀伊半島大水害から13年 五條市大塔町で慰霊祭/奈良

AI要約

紀伊半島大水害から13年が経過し、五條市大塔町で慰霊祭が行われました。遺族や市長が参列し、災害に強いまちづくりへの決意を新たにしました。

深層崩壊による土砂崩れが引き起こした被害や復旧工事の進捗などが報じられ、被災地の現状と当時の惨事を思い起こさせます。

遺族の想いや記憶が生々しく残る中、13年目にもなお忘れられない想いを共有し、災害への備えを新たにする機会となりました。

紀伊半島大水害から13年 五條市大塔町で慰霊祭/奈良

 奈良県南部を中心に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害から、4日で13年です。五條市大塔町では慰霊祭が行われ、遺族らが祈りを捧げました。

 2011年9月4日に発生した紀伊半島大水害は、県南部を中心に甚大な被害をもたらしました。県内ではおよそ1800カ所で土砂崩れが発生するなど死者、行方不明者あわせて24人にのぼりました。4日開かれた慰霊祭には、遺族や五條市の平岡市長らが参列しました。

五條市・平岡市長

「この時期になると台風による災害も頻発し、痛ましい報道を目にするたびにあの日の出来事が思い起こされます。決して忘れない、その思いを胸に災害に強いまちづくりにより一層まい進し、取り組んでいくことを誓い合い、追悼の言葉といたします。」

 五條市大塔町では山の深い部分から崩壊する深層崩壊によって崩れた土砂が、川を越えて、対岸にある宇井地区の住宅を飲み込み、死者8人、未だに3人が行方不明となっています。2024年は、大規模な土砂崩れが発生した赤谷地区の対策工事が13年の期間を経て完成。復旧が進み、被災した当時と状況が大きく変わる中、遺族らは尊い命が奪われたことを忘れないよう静かに手を合わせていました。

祖母を亡くした向 耕平さん

「13年は聞く人にとっては長く感じるとは思いますが、我々にとってはあっというまに過ぎ去った時間ですので、当時のことを思い出すと今でも信じられないという気持ちがほとんどですし、何とかならなかったのかという気持ちももちろんありますが、忘れないためにもこういった会は1回1回しっかり大切にしていきたいと思います。」