異例の迷走…台風10号 記録的大雨、各地で大荒れ 熱帯低気圧になっても警戒

AI要約

台風10号の影響で大荒れの天気が各地で続く

東海道新幹線が運転再開し、乗客は喜びの声をあげる

台風10号による被害が各地で深刻化し、被害者が続出

異例の迷走…台風10号 記録的大雨、各地で大荒れ 熱帯低気圧になっても警戒

 記録的な大雨をもたらした台風10号は1日に熱帯低気圧に変わったが、その後も局地的に激しい雨が降るなど、各地で大荒れの天気となった。

 1日午後10時すぎの東京・大田区。夜空が白く光ると、稲光が走り、雷鳴が轟いた。さらに、茨城県でも…。

 1日も各地でゲリラ雷雨が発生した。水しぶきをあげ走る車。さらに、大雨の影響で土砂崩れも発生していた。

 神奈川県平塚市では、1日までの3日間で観測史上最大となる427.5ミリの雨が降った。道路を見てみると、大雨の影響なのか、マンホールのふたがずれている。

 すると、取材中に消防車が現場に到着。激しく雨が打ち付ける中、ずれたマンホールを直す作業が行われた。

 台風10号は先月29日に鹿児島へ上陸した後、本州付近で異例の停滞。1日正午には、東海道沖で熱帯低気圧となった。

 大雨などの影響で、先月29日から一部で運転を見合わせていた東海道新幹線は、点検作業が早く終わったため、1日午後6時すぎ急きょ、東京~新大阪間での運転を再開した。

利用客

「明日の始発で帰ろうと思っていたので。早く帰れる分には、明日の仕事に向けて準備できるので。うれしい限りです」

 新幹線の再開を待ちわびていたJR静岡駅では、乗客の長い行列ができていた。中には、疲労からか座り込む人も…。

 東京へ帰るという乗客はこのように話した。

利用客

「金曜日に帰ろうと思っていたんですけど、終日運休だったので、そこからずっと今までここで過ごしていました。最高にうれしいですね」

「実家が静岡で、親戚の結婚式に出席する予定で来たんですけど、結婚式も延期になっちゃって。きょう東京に戻れないと明日の仕事に間に合わないので、がんばって帰りたいと思います」

 およそ3日ぶりに東海道新幹線が再開すると、待ってましたとばかりに、大きな荷物を持った乗客が続々と改札の中へと入っていった。

 本州付近に長く停滞したノロノロ台風は、台風本体から遠く離れた場所にも深刻な被害をもたらした。

 土砂崩れが相次いだ、神奈川県湯河原町。これは、その瞬間を捉えた映像。画面左側から水分を含んだ土砂が流れ込み、店の手前でストップ。新聞販売所のスタッフは急いでバイクを動かした。

 しかし1時間後、再び土砂が流れ込み、先ほどより大規模な土砂崩れが発生。止めてあったバイクは土砂に飲み込まれた。

 2つの川の合流地点にあるブロックでは、激しい流れを受けたのか無残にも崩れ落ちていた。

近隣住民

「久しぶりだね、このくらい量が、水が増えるのは。そりゃ心配だよね」

 秦野市の被害は、他にも出ていた。

発見した人

「全部道が落ちちゃった状況で。完全に通れない状況になっているので」

 山道のガードレールが崩壊し、山肌が露出した。

発見した人

「正直あれだけのレベルの災害って、この町に私は住んで46年なんですけど、1回もないので。やっぱり(復旧まで)ひと月ふた月単位でかかるんじゃないですか」

 さらに、静岡・駿河区ではイチゴ農家のビニールハウスが、流れ込んだ土砂で埋まってしまった。

撮影者

「見た時はびっくりしましたね。大変なことが起こったんだなと思って。本当に命の危険が…。これはただ事じゃないなと本当に思いましたね」

 近隣住民によると、ビニールハウス10棟ほどに被害があったという。

 岐阜県では杭瀬川が氾濫。一時、大垣市災害対策本部は、赤坂東地区の685世帯2049人に警戒レベル5「緊急安全確保」を発令した。道路は冠水し、中にはエンジンが止まり立ち往生する車も…。

近隣住民

「嫁にきて40年経つけど初めて。海に来たかなと思うくらいびっくりしちゃった。なにこれ!って感じだね」

 線状降水帯が発生した三重県松阪市で31日、3時間雨量が全国1位となる139.5ミリを観測。百々川が氾濫し、市内が冠水する事態に。

 1日時点で、台風10号による死者は7人。100人以上がけがをしていて、1人の行方が分かっていない。