古都・京都が臭い?「悪臭」訴える人が増加中 コロナ収束との意外な関連を指摘する声も

AI要約

2023年度、京都市に寄せられた公害苦情件数は394件で、5年ぶりに増加。騒音と悪臭が増加の主な要因は住宅やホテル建設の進展やマスク着用の減少。

騒音が最も多く、213件で全体の54.1%を占めた。発生原因は工事や建設作業が最多。

悪臭は84件で21.3%を占め、主な原因は工場の操業や飲食店など。他の公害種別も報告されている。

古都・京都が臭い?「悪臭」訴える人が増加中 コロナ収束との意外な関連を指摘する声も

 京都市に2023年度に寄せられた公害苦情件数は394件で、5年ぶりに増加に転じた。このうち「騒音」と「悪臭」が前年度から大幅に増えた。住宅やホテル建設が進んでいることや、新型コロナウイルスが「5類」に移行したことに伴いマスクの着用が減ったことなどが要因とみられる。

 公害の種別では、騒音が213件で前年度より28件増え、全体の54・1%を占めた。発生原因は工事・建設作業が103件と最多で、飲食店や住宅などが62件、工場などの操業が33件と続いた。

 悪臭は84件で前年度より38件増え、全体の21・3%だった。内訳は工場などの操業が27件、飲食店23件、野焼き8件など。大気汚染は54件で前年度とほぼ横ばい。このほかは、水質汚濁36件、振動7件だった。

 市環境保全創造課は苦情件数の増加について「分析できていない」としつつ、騒音については「住宅などの着工や解体工事が増えていることが一因では」としている。市によると、ホテルや旅館などの施設数は3452カ所(23年度末)で、新型コロナ前の19年度末と比べて減っているが、規模の大きい宿泊施設は増加傾向にあるという。国土交通省の調査では、市内の住宅着工件数も分譲住宅では22年の3392戸から23年は3782戸に増えている。

 悪臭の増加については、市は昨年5月の新型コロナの5類移行でマスクの着用が減ったため、「臭いを気にする人が増えたためではないか」と分析している。

 市は2カ所の環境共生センターで公害苦情を受け付けている。北、上京、左京、中京、右京区の住民は北部センター075(701)9800、東山、山科、下京、南、西京、伏見区の住民は南部センター075(671)0511へ。