国の天然記念物「ヤンバルテナガコガネ」 密猟防止で夜間パトロール 環境省など19団体 沖縄・国頭村

AI要約

ヤンバルテナガコガネ等密猟防止協議会が国頭村内の林道を夜間パトロールし、昆虫採集用トラップを捜索したが密猟者やトラップは見つからなかった。

3月にヤンバルテナガコガネの幼虫が盗まれた事件があり、環境省は密猟防止を強化している。

県は夜間パトロールや通行止め実施などの対策で野生動植物密猟防止の実証実験を行っている。

国の天然記念物「ヤンバルテナガコガネ」 密猟防止で夜間パトロール 環境省など19団体 沖縄・国頭村

 【北部】ヤンバルテナガコガネ等密猟防止協議会は8月29日、国の天然記念物「ヤンバルテナガコガネ」など希少動物の密猟防止対策のため国頭村内の林道を夜間パトロールした。環境省、県、県警、国頭・大宜味・東の3村など関係19団体の約30人が参加。車で四つのルートを巡回し、昆虫採集用トラップがないか歩いて探した。密猟者やトラップは見つからなかった。

 ことし3月、環境省が調査中だったヤンバルテナガコガネの幼虫が何者かに持ち去られる事案があった。同省沖縄奄美自然環境事務所野生生物課の永長大輔課長は「やんばるの森で希少種の密猟が実際に起きている。関係機関と連携し、世界自然遺産の環境保全のため対策を強化していく」と述べた。

 ヤンバルテナガコガネは本島北部の森だけに生息する日本最大の甲虫。成虫の体長は約6センチ。国内希少野生動植物種で、捕獲や採集が禁止されている。

 県は、やんばるの森の野生動植物密猟防止の実証実験のため、8月23日から、午後7時~午前7時までの夜間早朝、国頭村内の林道の一部区間を通行止めにしている。10月25日まで。(北部報道部・下地広也)

(写図説明)密猟防止夜間パトロールで昆虫採集用トラップを探す環境省の職員ら=8月29日、国頭村の林道