鹿児島県 世界自然遺産の宝を守ろう! 官民約30人がにらみ 盗掘・盗採防止合同パト 徳之島地区

AI要約

徳之島地区自然保護協議会主催の希少野生動植物盗掘・盗採防止パトロールが行われた。

密猟・盗掘・盗採事案の水際防止のため、関係機関・団体が合同パトロールを行い、無許可設置の昆虫トラップが確認された。

捕獲例が増える季節を捉えたパトロールで、監視活動が継続されている。

鹿児島県 世界自然遺産の宝を守ろう! 官民約30人がにらみ 盗掘・盗採防止合同パト 徳之島地区

 【徳之島】徳之島地区自然保護協議会主催の希少野生動植物盗掘・盗採防止パトロールが30日夕からあった。観光客などを装って来島、売買目的で世界自然遺産の島の希少種を狙う密猟・盗掘・盗採事案の水際防止に、関係機関・団体の官民一体の合同パトロールで「監視の目と守り」をアピールした。徳之島町内では、無許可設置と見られる昆虫トラップ(わな)を確認した。

 例年5月の大型連休前の恒例行事だが、昆虫類の捕獲例が増えるこの時期を捉えた。午後6時に徳之島町花徳の里久浜駐車場で出発式。地区自然保護協議会や環境省、県希少野生動植物保護推進員、徳之島署、県大島支庁徳之島事務所、3町行政担当など約30人が参加した。

 採取者と思われる人との遭遇時など「希少種保護パトロール時の対応マニュアル」(3町で作成)を確認。島内を6地区6班(徳之島町北部・中部、天城町中部・南部、伊仙町東部・西部)に分かれて出発。関係機関・団体は日常的な監視活動も継続しているが、合同パトロールでも「監視の目」を光らせた。

 「徳之島町中部」班では、井之川岳のすそ野エリアの同町下久志地内の農道沿い雑木の枝(地上約5㍍)に昆虫トラップ1個を確認。いわゆるバナナを焼酎などに付け込んでストッキングに入れて樹木の枝に吊る別名「バナナトラップ」の類。国立公園など規制区域外だが、地権者に対する〝無許可設置〟と見られる。

 偶然発見した県希少野生動植物保護推進員の池村茂さん(68)は「クワガタムシ狙いであり、台風(10号)接近で回収を忘れた一つでは。ネット販売など営利目的者は車で巡回し、1グループ100個以上を設置して大量に捕獲する。ヤマトサビクワガタ(3町条例で捕獲禁止種)などの捕獲も考えられ、生態系への悪影響が懸念される」と指摘。今後の対策には「3町が歩調を合わせ、事前届け出制など規制設置も必要と思う」と話した。

 同夜の合同パトではほか、不審者・不審車両などの発見情報はなかった。