むかわ町復興応援フェスタ 防災、復興を考える 鈴木章氏からメッセージ 鵡川中生徒が 学習実践発表

AI要約

むかわ町復興応援フェスタ2024が開催され、鈴木章氏からのビデオメッセージや防災学習の実践発表などが行われた。

フェスタでは防災や復興に関する基調講演や展示が行われ、鈴木氏は若い世代に向けて社会貢献の重要性を訴えた。

鵡川中学校の生徒は胆振東部地震の被災者の体験を伝え、避難訓練の重要性を強調した。

むかわ町復興応援フェスタ 防災、復興を考える 鈴木章氏からメッセージ 鵡川中生徒が 学習実践発表

 むかわ町復興応援フェスタ2024(同フェスタ実行委員会主催)が30日、同町の四季の館で開かれた。2010年にノーベル化学賞を受賞した同町出身で北海道大学名誉教授の鈴木章氏(93)からのビデオメッセージが流されたほか、防災や地域復興に関する講演や報告などが行われた。鵡川中学校の生徒による防災学習の実践発表もあり、町内外から来場した約400人が防災や復興について考えた。

 同フェスタは2018年9月に発生した胆振東部地震からの復興機運を高める目的で22年に始まり、3回目。今回は第2回防災とメディア研究会も兼ね、道内企業や道内に進出した企業の代表者などによる防災、復興に関する基調講演、基調報告をはじめ、非常用食品や消防車両の展示などが行われた。

 ビデオメッセージで鈴木氏は、若い世代に向けて命の大切さと「将来、社会で役に立つ生き方を」と訴えた。日本は国土が大きくなく、資源がほとんどないことを説明し、「お互いの人間が理解し合うこと、命を大切にすることが大事」とし「むかわの若い人には心にいつも持ってもらい、むかわのためだけではなく、日本中、世界の人たちの平和と繁栄のために生きてほしい」と述べた。

 胆振東部地震で被災した町には「天災は予期しない時に起こる。平和な時ばかりでなく、いつ天災や人災が起きるか分からないことを肝に銘じることが大事」と語った。

 鵡川中生徒の実践発表では、生徒会が防災宣言を行った後、3年生39人が6班に分かれ、胆振東部地震で被災後、復興に活動した町職員や町民などから聞き取った話を発表した。胆振東部地震の記憶を風化させまいという思いからで、町民らとの会話を通じ「学校の避難訓練をしっかり取り組むことが大事」「家族と話し合うなど、普段の生活から避難の準備をすること」と感じたことを伝え、会場から大きな拍手を浴びた。

 基調講演は生活協同組合コープさっぽろ(札幌市)の小松均専務理事など3人が行い、同実行委の岡松諒委員長は「普段むかわ町で聴けない話を講演で聴くことができた。(フェスタを通じ)中高生には広い世界があることを知ってもらいたい」と話した。