未だに断水続く町 隣の市から水を引いて9月復旧へ 石川・珠洲市

AI要約

石川県珠洲市の沿岸部で水が使えない状況が続く中、隣接する輪島市から水道管をつなぐことで断水解消の取り組みが進められている。

地震による土砂崩れで道路が寸断され、浄水場も被災しており、未だに断水が続く中で、住民は不自由な生活を強いられている。

珠洲市の自治体間協力により、輪島市との区域で新たな配水管整備が計画され、断水解消への取り組みが進んでいる。

未だに断水続く町 隣の市から水を引いて9月復旧へ 石川・珠洲市

各地で猛暑となる中、被災地では未だに水が使えない地域に住む人たちがいます。

元日の地震で大規模な土砂崩れに見舞われた石川県珠洲市の沿岸部では、隣接する輪島市から水道管をつなぐことで断水を解消することになりました。

輪島市町野町と隣接する珠洲市真浦町。

地震による大規模な土砂崩れで、国道249号が一時寸断され、今も珠洲市側に続く道は塞がれたままです。

さらに近くの浄水場も被災したことで、地震から7か月以上たった今も断水が続いています。

南逸郎さん85歳。妻の末子さんとともに、インフラが寸断されようとも、ふるさとに残っています。

■一時、京都に2次避難したが、珠洲市へ戻ってきた住民

南逸郎さん

「お風呂は町野町のほう行く。来ても水がないとなれば誰も来ないと思いますよ」

一時は京都に2次避難しましたが、慣れない環境に戸惑ったと話します。

南末子さん

「Q:どういう時に水って一番必要?トイレやねー。(非常用サニタリートイレを)便座に被せてやってます。Q:けっこう慣れた?しょうがないし水がないから。これよりね。広いとこでずっといるからね。狭いマンションにぎゅうぎゅう詰めに4畳半で2人おってもね息が詰まってしまうしねえ。京都にいるよりは良いかな。不便でも良いかね」

地震前はおよそ20世帯30人が暮らしていた集落ですが、住民の多くが2次避難し、残るは4世帯、10人ほどになりました。

■毎日、水を汲みに3キロの道を車で・・・

記者リポート

「真浦町に住む人のほとんどはすぐ隣で水が通っている輪島市町野町のこの場所へ汲みに行っています」

町から車を走らせること3キロほど先に、水を手に入れることができる場所がありました。この男性は小松市のみなし仮設から、2週間に1度、まちに帰ってくるといいます。

藤尾茂さん

「とりあえず(汲みに行くのは)1日1回。大変は大変やけどそんなこと言うとられん。ただこれ(肌着)を水洗いするだけ」

こうした中、珠洲市は、輪島市町野町から真浦町までのおよそ1.8キロの区間で新たに配水管を整備する、自治体をまたいだ計画に乗り出しました。

■珠洲市内では、今も およそ420世帯で断水続く

工事は8月中に始まり、9月中の通水を目指しているということです。

藤尾茂さん

「Q:輪島から配水管を繋げる話は?区長から聞いた。Q:それ聞いてどう思った?、遅いなと思った。どうせこっちダメねんから、なかなか(水を)引っ張れないんだからこっちからもっと早めに(水を引いてほしい)水が1番大事。」

珠洲市内では、22日時点でおよそ420世帯で断水が続いていて、住民がふるさとでの暮らしを再建する上で大きな壁となっています。