【記者がみた法廷】遺体発見は“母の誕生日” 自宅に放置した66歳の息子 法廷で語った身勝手な理由《新潟》

AI要約

66歳の男性が90歳代の母親の遺体を自宅に放置し、死体遺棄容疑で逮捕される事件が発生。

事件の経緯や起訴内容、兄妹関係などが明らかになり、兄の身勝手な動機が浮かび上がってくる。

元々お金にだらしなかった兄が、母親の遺体を放置し生活費などに消費する行為に及び、周囲の衝撃を受ける。

【記者がみた法廷】遺体発見は“母の誕生日” 自宅に放置した66歳の息子 法廷で語った身勝手な理由《新潟》

90歳代の母親の遺体を自宅に放置したとして死体遺棄の罪に問われた66歳の息子。

なぜ事件は起きたのか。母親に対して、思うこととは……。

法廷で語った“証言”に迫った。

【「最近姿が見えない」近所からの通報で明らかになった事件】

新潟市秋葉区の小林弘明被告(66)はことし6月、同居する90歳代の母親が亡くなったにも関わらず、遺体を自宅に放置したとして死体遺棄容疑で逮捕された。

「最近、女性の姿が見えない」。付近の住民からの相談を受けた警察が開いていた窓から室内に入ったところ、遺体が見つかり事件が発覚した。

【「間違いありません」初公判で認めた罪】

8月20日に開かれた初公判。白髪交じりの頭に白いマスクを着用。指先までピンと伸ばした姿勢で証言台の前に立った。

検察側が起訴状を読み上げた後、起訴内容について「間違いはありませんか?」と問われた小林被告。「ありません」。

【なぜ90代の母を?検察が指摘した身勝手な動機】

検察側の冒頭陳述。

「6月2日、小林被告は自宅1階で母親が死亡したことに気付いたが、葬儀代などが捻出できないと考え、寝室に遺体を運び、遺体の上に敷きパッドをかけて放置した。さらに数日後、遺体の腐敗が進んでいることを認識したが、虫が湧き出てくるのを防ぐため、寝室のドアなどにガムテープを貼り、その後、母名義の口座に振り込まれた年金を引き出し、生活費やボートレース代などに消費した」。

【実妹が証言「兄はお金にだらしなく、あればあるだけギャンブルに」】

検察側が読み上げた供述調書。

実の妹が語ったのはお金に対する小林被告の“だらしなさ”だった。

「お金にだらしなく、あればあるだけギャンブルに使っていた」。

母親と2人で暮らしていた小林被告。

「母は兄を溺愛しており、甘やかしていた。だらしのない人だったが、母のことはしっかりしてくれると信頼して任せていた。なぜそんなことをしたのか理解できない。母は兄と一緒に暮らせることを喜んでいたのに、最後がこんなことになってしまいかわいそう」