解除された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」 “巨大地震警戒”なら確率6.8% 備えの再点検を

AI要約

宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、日南市で最大震度6弱を観測。

気象庁が初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表し、1週間後に解除された。

南海トラフ地震は予知ではなく、過去80年の記録から将来の地震が警戒されている。

解除された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」 “巨大地震警戒”なら確率6.8% 備えの再点検を

8日午後4時43分ごろ、宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の強い地震が発生し、日南市で最大震度6弱の大きな揺れを観測しました。

この地震にともなって気象庁は、8日午後7時過ぎ、初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しましたが、その後1週間、巨大地震の発生はなかったことから、発表は16日午後5時で解除されました。

巨大地震が起きなかったことは不幸中の幸いでした。しかし南海トラフ地震への警戒が必要な状況には変わりがありません。いつ起こるか分からない南海トラフ地震について、改めて確認していきます。

■「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は予知ではない

南海トラフ地震とは、駿河湾(静岡)から日向灘沖(宮崎)にかけてのプレート境界を震源域として、おおむね100年から150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震を指します。

直近の南海トラフ地震は、1944年12月の昭和東南海地震(マグニチュード7.9)、1946年12月の昭和南海地震(同8.0)の2つが該当します。この地震から約80年が経過していることから、将来の南海トラフ地震が警戒されています。

8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、巨大地震発生の恐れが、平常時に比べて相対的に高まっていることを伝えるものでした。

「相対的に」とは、平常時に巨大地震が発生する確率は1000分の1程度のところ、「数百分の1程度」の確率に上がった、ということを指しています。数百分の1といっても、地震学の見地からは相当リスクが高まっているとされる確率です。

【注】

平常時に、7日以内に南海トラフ地震が発生する可能性…1000分の1程度

モーメントマグニチュード7.0以上の地震後7日以内に、同8.0以上の地震が続けて発生する可能性…世界の1437事例のうち6回(引用:気象庁資料)

つまり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は、リスクが高まったことを知らせるものですが、必ず起きるという「予知」ではありません。防災対応を取る必要がありますが、慌てて避難することは求められません。

日頃からの地震への備えを再点検し、揺れを感じたらすぐ避難できる準備をするよう人々に促す。これが、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表する目的です。