方言(8月18日)

AI要約

方言は同郷の仲間の潤滑油。短い表現で意思を通じ合わせることができ、公開中のディズニーのアニメ映画「インサイド・ヘッド2」では各地の方言が登場する。

福島県が進める方言全国普及プロジェクトでは、福島弁と標準語での絵本読み聞かせの効果が調査され、福島弁を使った子どもが眠りに落ちる時間が早いことが示された。

お盆休み中に古里で懐かしい言葉を堪能した人々が多く、全国調査によると方言を好ましいと感じる人が多いことがわかる。

 方言は同郷の仲間の潤滑油。「おばんです」「んだな」「なじょした」。短い表現で意思は通じ合う。何より、都会人の仮面を互いに外せる▼「いつも通りだっぱい」。擬人化された感情のキャラクターが福島弁を使いこなす。公開中のディズニーのアニメ映画「インサイド・ヘッド2」の公式サイトで、各地の方言による1分30秒ほどの吹き替え映像が公開されている。北海道弁から沖縄弁まで11のお国言葉が登場する。それぞれの地方にゆかりのあるナレーターの訛[なま]りが愛らしい▼県が進める福島弁全国普及プロジェクトは、県内に住む3組の親子を対象に福島弁と標準語で絵本を読み聞かせ、子どもが寝付くまでの時間を比べた。福島弁の方が6分29秒早く眠りに落ちたという。柔らかなアクセントは幼子にも心地よく感じられるらしい▼お盆休みはきょう18日まで。帰省した人たちは古里でゆっくりと心をほぐし、懐かしい言葉にも浸っただろうか。方言を「好ましい」と感じる人は7割以上との全国調査がある。人気アニメの吹き替えが登場したのも、そんな背景があるのかもしれない。方言は郷土の文化遺産―と誇っていい。都会に戻って口にしても「さすけねえ」。<2024・8・18>