⚾掛川西の勝利、後押し 吹奏楽部卒業生90人、大応援団けん引 コンクールの現役生に代わり「ぶっつけ本番」

AI要約

兵庫県西宮市の甲子園球場で10日に行われた第106回全国高校野球選手権大会。静岡県代表の掛川西は日本航空(山梨)を8―4で下し、1964年以来60年ぶりの夏勝利を手にした。

応援の中心を担う吹奏楽部の卒業生が突然の決定で現地入りができなかったが、アルプススタンドに集結して普段と変わらぬ音色を奏で、大応援団をけん引した。

過去の甲子園出場メンバーや卒業生たちが現地に駆けつけ、チームを熱心に応援。懐かしい曲が甲子園に響き渡り、感慨深い思いが溢れた。

⚾掛川西の勝利、後押し 吹奏楽部卒業生90人、大応援団けん引 コンクールの現役生に代わり「ぶっつけ本番」

 兵庫県西宮市の甲子園球場で10日に行われた第106回全国高校野球選手権大会。静岡県代表の掛川西は日本航空(山梨)を8―4で下し、1964年以来60年ぶりの夏勝利を手にした。同校伝統の応援の中心を担う吹奏楽部は11日にコンクールがあるため現地入りができなかったが、同部の卒業生約90人がアルプススタンドに集結。普段と変わらぬ統率の取れた音色を奏で、大応援団をけん引した。

 学校関係者や応援ツアー参加者ら1500人以上が46台のバスに分乗し、午前中に掛川市を出発。多くの野球部OBやファン、父母会も詰めかけ、応援席が埋め尽くされた。吹奏楽部卒業生は突然の決定で音を合わせる時間がなく、ぶっつけ本番となったが、「第二応援歌」など往年の曲を真夏の聖地にとどろかせた。チューバを担当した村松幹大さん(27)=磐田市=は「高3の時は決勝で敗れ悔しかった。こうして卒業生が集まり、応援を盛り上げられてうれしい」と実感。旧友と再会し、甲子園で演奏できたことに万感の思いがあふれた。

 1998年夏、当時主将だった大石卓哉監督とともに甲子園に出場したメンバーも応援に駆けつけた。智弁和歌山との初戦に3番右翼で出場し2安打を放った会社員松井竜己さん(44)=掛川市=は「26年ぶりに母校を夏の甲子園に導いてくれて、(監督の)卓哉を男にしてくれた」と後輩たちに感謝。グラウンドで懸命にプレーするナインやスタンドで声をからす選手たちの一挙手一投足を目に焼き付け「本当に頑張ってくれた。(自分たちが挙げられなかった)1勝を挙げてくれてうれしい」と部員をたたえた。