再生プロジェクト「日本なし」新商品15日発売 飯田短大と下伊那農業高校も参画し産地再生へ地域一体【長野県】

AI要約

長野県飯田下伊那地域の菓子店など13店舗が日本なしを使用した新商品を開発し、地元産ナシの魅力を発信する取り組みが始まった。

プロジェクトでは、ナシの生産量が減少する中、稼げる産地の再構築を目指しており、今年は飯田短大や下伊那農業高校が新商品の開発に取り組んでいる。

開発された商品には、梨ジャムのマカロンや梨どら焼き塩キャラバタあんなど、若者から高齢者まで楽しめるバラエティ豊かなラインナップが揃っている。

再生プロジェクト「日本なし」新商品15日発売  飯田短大と下伊那農業高校も参画し産地再生へ地域一体【長野県】

 長野県飯田下伊那地域の菓子店など13店舗が15日から10月15日まで、地元産「日本なし」を使ってそれぞれ開発した新商品を販売する。農業団体や市町村、県などでつくる「南信州日本なし産地再生プロジェクト」活動の一環。幅広い年代や地域内外の消費者に、飯伊産ナシの魅力を発信する。

 ナシの栽培面積や生産量が年々減少する中、稼げる産地の再構築を目指すプロジェクトで2年目。商品開発は、プロジェクトが掲げる4つの課題の一つ「販売戦略」の一環として取り組んでいる。今年は飯田短大と下伊那農業高校が菓子店とコラボレーションし、5月から新商品の開発を探ってきた。

 飯田短大はパティスリー・マサオオシマ(飯田市鼎下山)と組み、「梨ジャムのマカロン」を考案した。東谷璃子さん(18)は「ナシの水分がマカロンに染み込み食感が悪くなってしまうことへの対応が難しかった」としつつ、オーナーシェフの大島正勝さんの助言により「ホワイトチョコレートを間に挟んだらうまくいった」と出来栄えに満足そうだった。

 同短大の別のチームは「得月」(同市上殿岡)とコラボし、「梨どら焼き塩キャラバタあん」を完成させた。吉田藍里さん(20)は「冷やしてから食べるのがおすすめ。若い人から高齢者まで楽しんでほしい」と話した。棚橋大祐社長は「若い人の発想から生まれた商品。形になって良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 下伊那農業高校は「田月」(同市伝馬町)とヨーグルトムースの「青春かおる爽やか梨の青空」、スフレ生地のオムレットにナシを入れた「オムレットスフレの梨サンド」の2商品を開発。城田茂社長は「企画を見た時に私もわくわくした。イメージに近いものが再現できたと思う。売れることで喜びを感じてほしい」と語った。

 県南信州農業農村支援センターの小林健次所長は「飯伊では明治時代からナシの生産が行われているが、年々生産量と農家が減少している」と指摘。一方で、価格が堅調に推移していることから重要品目に位置づけていることを強調し、「プロジェクトを通し、魅力を知ってもらい、関係者の励みにしたい」と話していた。