統合病院、8月中結論を疑問視/青森市議会

AI要約

青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院の整備候補地について、青森市議会が質疑を行い、候補地の決定時期や提案経緯に疑問が出ている。

県は県営スケート場一帯を新たな整備候補地として提示したが、市は難色を示しており、議論が不十分であるとの指摘が相次いでいる。

議員たちは候補地の決定に際して、時間にこだわらず慎重な議論が必要であり、市の合意がない提案に疑念を示す声も多い。

統合病院、8月中結論を疑問視/青森市議会

 青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院の整備候補地に県側が県営スケート場一帯(同市浜田)を追加したことを巡り、青森市議会は8日、全員協議会を開き質疑を行った。8月中を目指している候補地の決定について、議論が尽くされていないとして「無理ではないか」との指摘が相次いだほか、県の提案経緯を疑問視する声も多く上がった。

 整備場所は先月21日の県と市の有識者会議で「スケート場、サンドーム、浜田中央公園」の一帯案を県が新たに提示。さまざまな項目で青い森セントラルパーク(同市浦町)と比較、検討するとしているが、一帯は全て市有地で現在も利用中の市施設を含むことなどから、市はスケート場一帯案に難色を示している。

 全員協は市議32人中24人が、1人10分の持ち時間で質疑。市側は市の検討会議の次回会合(14日)に向けて、スケート場一帯とセントラルパークの2案に関する経費比較などの資料を独自に作る考えを明らかにした。一方で県の担当者は出席せず、市側が「県から具体的な内容が示されておらず、引き続き説明を求めていく」との答弁を繰り返す場面も目立った。

 候補地の決定時期については山本武朝議員(公明)が「新たな候補地は、県は春先には提案すべきだった。8月中の決定にこだわらず、全ての疑問を払拭して」と要望。竹山美虎議員(市民クラブ)は「今の状況では8月中に決定するのは無理。整備スケジュールが1、2年遅れても議論をしっかりして、知事も市長も県民も市民も納得いく形で進めることが大切」、山田千里議員(無所属)は「8月中の決定は困難。地域住民を無視した拙速なやり方では」と訴えた。

 市の合意がない中での提案を疑問視する声も。藤田誠議員(立憲民主・社民)は「検討会議でこれだけ検討させておいて、別の候補地があるという話は民主主義の崩壊。腹案があるなら検討会議に出しておくべきだった」と指摘。県の進め方を「乱暴」と批判する議員も複数いた。

 小倉尚裕議員(創青会)は「浜田案(スケート場一帯案)に大賛成」と述べ会派として支持を表明した。

 一方、西秀記市長は、関貴光議員(自民クラブ)に病院統合の必要性を問われ「人口減少や医療従事者不足など地域を取り巻く課題や多様な医療ニーズに対応するためには、両病院の機能と資源を集約、充実していくことが重要」との認識を改めて示した。

 9日は県議会で議員全員協議会が行われる。