PFAS問題 使用済み活性炭発生源で矛盾なし 岡山・吉備中央町原因究明委が見解

AI要約

岡山県吉備中央町の円城浄水場からPFASが検出された問題で、原因究明委員会は資材置き場の活性炭を発生源と考えている。

ボーリング調査で高濃度のPFAS検出、国の暫定目標値を大きく上回る結果が出た。

委員長は活性炭仮説を覆す結果ではないとしつつも、断定はできないと説明。報告書の提出を予定している。

PFAS問題 使用済み活性炭発生源で矛盾なし 岡山・吉備中央町原因究明委が見解

 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、有識者でつくる町の原因究明委員会は7日、町内の資材置き場に長年置かれていた使用済み活性炭を発生源と考えて矛盾はないとする見解をまとめた。ボーリング調査で地下から高濃度のPFASを確認したことから判断した。

 同町下加茂の町農村環境改善センターであった会合は非公開で、終了後に委員長の小松満岡山大学術研究院教授が取材に応じた。

 ボーリング調査は2カ所で実施。資材置き場の1リットル当たりのPFAS濃度は、土壌表層で93万ナノグラム(ナノは10億分の1)、地下約7メートルの地下水からは5万2千ナノグラムを検出した。国の水質の暫定目標値は50ナノグラム。約50メートル上流の地点からはほとんど検出されなかった。

 小松委員長は、活性炭を発生源とするこれまでの仮説を「覆す結果ではない」と説明。一方で「断定はできない」とも述べた。

 原因究明委は9月にも原因や対策をまとめた報告書を町に提出する。

 町は、資材置き場で使用済み活性炭を多数保管していた地元企業に対し、1億円を超えるとみられる損害賠償を既に請求している。