「世代を超えて平和願うきっかけに」 市民団体が40年近く被爆者の絵画展 体験者ならではの生々しさ

AI要約

広島の被爆者が描いた絵画の展示会が、京都府宇治市折居台の市中央公民館で開かれ、原子爆弾投下直後の惨状や平和への願いが表現された。

展示会では広島平和記念資料館所蔵の被爆者の記憶に基づく作品約90点が展示され、生々しい光景が描かれていた。

平和の会メンバーは戦争を人ごとと思わず、世代を超えて平和を願うきっかけになるよう願っている。

 広島の被爆者が描いた絵画の展示会が、京都府宇治市折居台の市中央公民館で開かれた。原子爆弾投下直後の惨状が表現され、戦争の恐ろしさや平和への願いを伝えた。

 展示は宇治市民らによる市民団体「平和の会」が1985年から夏に開いている。広島平和記念資料館(広島市)が所蔵し、被爆者が記憶を基に描いた作品の複写約90点を並べた。

 亡くなった子どもを背負ったやけど姿の女性や、数十体以上の遺体が浮かぶ川など、体験者ならではの生々しい光景が描写されている。火の手が迫る中で母親が倒壊した家屋の下敷きになり、泣きながら助けを求める少女の作品の前では、涙を流す来場者もいた。

 平和の会メンバーの竹原八郎さん(74)は「戦争は遠い昔のことと思われるかもしれないが、ウクライナなどの海外では今でも起こっている。戦争を人ごとと考えず、世代を超えて平和を願うきっかけになってほしい」と話した。