愛知県が温州ミカンの新品種登録出願

AI要約

愛知県農業総合試験場と蒲郡市農協は新品種の温州ミカンの開発を発表した。

新品種はC系統と呼ばれ、加温ハウス栽培向けで着色が早く、均一に色づく特徴がある。

品種は突然変異によって誕生し、味のバランスが良く、出荷時の状態も良好だ。

愛知県が温州ミカンの新品種登録出願

 愛知県農業総合試験場と蒲郡市農協(JA蒲郡市)は2日、共同で温州ミカンの新品種を開発し、種苗法に基づく品種登録を出願したと発表した。

 開発名「C系統」で、加温ハウス栽培向けの品種として、美味で着色が早く、均一に色づくことから、ミカンの消費拡大や生産者の収益向上が期待される。2027年3月にJA蒲郡市管内の生産者に苗木供給を開始、33年ごろから出荷が始まる予定だ。愛称は未定で、6年間はJA蒲郡市で独占的栽培できる。

 C系統は、品種を掛け合わせる「交配」ではなく、突然変異の温州ミカンの中から新品種を探す「枝変わり」によって誕生した。流通している温州ミカンの多くが、枝変わりによって生まれている。

C系統は加湿ハウス栽培向け品種として、JA蒲郡市での主力品種「宮川早生(わせ)」より糖度、酸含有量が高く、食味が良い。

 開発にあたった農業試験場の江崎幾朗主任研究員は「糖度と酸味のバランスがよく濃厚な味のミカンとなった」と話す。JA蒲郡市の鈴木茂正組合長は「着色が早いので、実と皮が離れてフカフカする浮き皮にならず、いい状態での出荷が期待できる」と話した。

 22年の県のハウスミカン生産は出荷量4010㌧で、佐賀県に次いで全国2位。

【安部文晴】