外国人児童・生徒52人が学ぶ別府市、日本語指導員を配置 中央小を拠点校に

AI要約

別府市では、日本語の支援が必要な外国人児童・生徒を指導するために日本語指導員を配置している。

外国人児童・生徒の数が増加しており、支援ニーズが高まっている。

指導員は日本語レベルに合わせた適切な支援を提供し、学校内での連携も密にしている。

外国人児童・生徒52人が学ぶ別府市、日本語指導員を配置 中央小を拠点校に

 別府市教委は、日本語の支援が必要な外国人児童・生徒を指導する「日本語指導員(会計年度任用職員)」1人を別府中央小に配置している。対象となる子どもの数が増加傾向にあり、支援のニーズが高まっているという。同小を市内の拠点校に位置づけ、継続的で安定的な指導につなげる。

 同小の国際教室「スマイル・ルーム」では7月中旬、バングラデシュ出身の児童2人が日本語の授業を受けていた。日本語指導員の立山愛さん(51)と教育相談員1人が主に担当している。

 児童は「もうすぐなつやすみです」などの一文を聞いて平仮名で書き取った。「一番欲しいもの」を尋ねる練習もした。立山さんはつまずきを観察しながら丁寧に教えた。

 別府市は全国的にみても生活している外国人が多く、小中学校にも多数の外国人児童・生徒が在籍する。市教委によると、コロナ禍だった2022年度(5月時点)は30人だったが、入国規制が緩和されて一気に増加。23年度(同)は50人、本年度(同)は52人が公立小・中学校に通う。

 日本語を分からないまま来日するケースが多く、支援が必要な子どもの数は右肩上がりの傾向にある。文化の壁から学校生活に適応させるためのサポートも求められる。

 これまで同市は有償ボランティアの教育相談員のみを必要に応じて配置してきたものの、指導できる時間に制限があった。

 十分な時間を確保しつつ、日本語レベルに応じた適切な支援をしようと、昨年度から日本語指導員の配置を始めた。

 立山さんは市内の小中学校で教育相談員を務めた経験があり、別府中央小には4月に着任。同小には7月時点で支援を必要とする児童が10人在籍し、登校から下校まで常駐して対応している。

 国際教室での「取り出し指導」、クラスでの授業の手助けをする「入り込み指導」など日本語能力に合わせてサポートする。日本語でのコミュニケーションが難しい保護者のケアにも当たり、学校で管理職や担任教員との連携を密にすることも可能になった。

 立山さんは「彼らは日本と母国の二つの文化が分かる人材としての強みがある。複雑な思考に必要な学習言語を身に付け、考える力や伝える力を養い、幅広い視点でものが見られるよう育ってほしい」と願う。

 市教委学校教育課は「グローバル化の進展に合わせ、外国から来た児童・生徒が安心して学べる環境づくりが必要。別府中央小での実践を他校にも生かしたい」と話している。