鎌倉市役所の移転予定地「防災面で不適切」 住民監査請求の意見陳述で訴え

AI要約

鎌倉市役所庁舎の移転計画を巡る住民監査請求で、基本設計委託の予算執行停止を求める声が上がっている。

住民は市議会が移転の前提となる位置条例案を否決したにも関わらず、計画の見直しを求めており、意見交換を行うべきだと主張している。

新庁舎建設予定地が洪水ハザードマップで浸水想定地となっており、防災面でも問題があると指摘されている。

鎌倉市役所の移転予定地「防災面で不適切」 住民監査請求の意見陳述で訴え

 鎌倉市役所庁舎の移転計画を巡り、基本設計委託に関わる予算執行の停止を求めた住民監査請求で、請求人による意見陳述が29日、同市役所で行われた。市議会が移転の前提となる位置条例案を否決したにもかかわらず、移転に向けて基本設計を進める市に対して住民らは「計画をもう一度振り出しに戻して、市民との十分な意見を交わすべきだ」と監査委員に訴えた。

 予算執行の停止を求める住民監査請求2件は今月上旬、計153人から監査委員に提出され、この日は計11人が陳述した。

 市が2031年以降の新庁舎建設を目指す深沢地区は柏尾川が流れる低地で、市の洪水ハザードマップでも建設予定地は大雨の際に50センチ以上の浸水が想定されている。古くは田園地帯を埋め立て、宅地化した歴史もあり、住民の一人は「東日本大震災でも液状化の被害もあり、深沢地区は(防災面で)不適切な土地」と主張した。