次期参院選まで1年-見え出す対決の構図 芳賀道也氏/大内理加氏

AI要約

現職と自民党公認候補との対決構図が明確化するなか、選挙への意欲を見せる芳賀氏。地方の課題解決に全力を注ぎ、実績をアピール。

一方の大内氏は、2度の選挙敗北を経て地域の支持を得るため、粘り強く活動。統一地方選や首長選で県民と対話し、地方課題への取り組みを訴える。

両候補ともに、今後の参院選を見据え地道な活動を展開。政党色よりも地域のために尽力する姿勢を強調。

 任期満了(2025年7月28日)に伴う次期参院選まで1年と迫った。県選挙区(改選数1)の現職で1期目・芳賀道也氏(66)=無所属=は態度を明確にしていないものの、言葉には再選への意欲がにじむ。一方、自民党は21年知事選と22年参院選に出馬した元県議の大内理加氏(61)を公認候補とし、対決の構図が見えてきた。今後、準備作業が本格化する。

 芳賀氏は、再出馬について「災害や物価高騰など目の前の課題解決へ全力を尽くす」と態度を保留する一方、「選挙は6年間の活動への“通信簿”と思っている」と、「来年の夏」を意識した言葉も。国政報告会などで県内各地を精力的に回り、実績のアピールに余念がない。

 19年の初当選以降、国民民主党などの会派に所属。先の通常国会の参院本会議では、自民派閥の政治資金パーティー裏金問題や、地方自治法改正などを批判・追及した。参院災害対策特別委員会では豪雨被害で区間運休が続くJR米坂線の復旧に向け、国による積極的支援の重要性を訴えるなど地方の声を代弁した。

 今月22日には山形市内で、初当選日の翌朝から恒例としているつじ立ちを行った。次期衆院選で県1区に出馬予定の立憲民主・原田和広氏、国民県連幹事長の梅津庸成県議も参加。野党統一候補として自民現職を破った前回から変わらない協力関係を顕示した。

 炎天下で約1時間、ドライバーに手を振り続けた。「国に粘り強く訴え続けてきたことが実を結び出した一方、課題は山積みだ」と汗を拭い、「政治へのモチベーションは一層高まっている」と続けた。

 一方の大内氏は今月7日の自民党県連大会で「2度負けても頑張ってこられたのは、県民の温かい激励のおかげ」と壇上で思いを口にした。「厳しい戦いだが負けられない。力を貸してほしい」と呼びかけた。

 21年1月の知事選と22年夏の参院選は自民の公認候補として挑み、敗れた。参院選は勝った現職と約2万7千票、4ポイントの差だった。政権与党を強調して一定の支持を得たが、立候補が急きょ決まったこともあり、地域を十分に回りきれなかったと述懐する。

 その後は、23年の統一地方選や首長選の候補者応援の機会を捉えて各地に赴き、祭りや行事にも小まめに顔を出している。「県民と膝詰めで話し、改めて現状を知ることができた」。人口減少などの課題克服は地方だけの努力では難しいとし「人とモノを分散させる国の政策実現へ、参院に自民の議席が必要だ」と訴える。

 22年の参院選は当時の岸田政権の高い支持率を追い風に政党色を前面に出した。裏金問題が尾を引く可能性がある今回は状況が異なる。「政党名が先に立つのではなく、自分が山形のため地道に汗を流す。それが信頼回復につながる」と勝負の1年を見据える。