スマホ熱中症にご用心 高温下でバッテリー劣化や火災につながる恐れも

AI要約

梅雨明け後の暑さでスマホ熱中症に警鐘が鳴る。内部の熱がこもり処理性能やバッテリーに影響あり。

福知山市の修理店では暑さによるスマホの修理依頼が急増。バッテリー膨張による火災リスクも。

冬や冷蔵庫で急激な冷やし方は故障を招くが、風に当てて自然に冷却するのが効果的。

スマホ熱中症にご用心 高温下でバッテリー劣化や火災につながる恐れも

 近畿地方の梅雨が明け、京都府福知山市内でも連日暑い日が続いている。水分補給や涼しい場所で過ごすなど熱中症対策が叫ばれる中、「スマホ熱中症」への注目が高まっている。故障や劣化、最悪の場合は火災につながる恐れもある。症状の原因や対策などをスマホ修理の専門家に聞いた。

 スマホの熱中症は、高温の環境下に置かれることで機器内部に熱がこもることをいい、処理性能の低下、バッテリーの劣化や膨張などにつながる。

 福知山市厚中問屋町のスマホ修理・販売店「エックスモバイル」では、例年夏になると修理依頼が増加するといい、昨年8月は、修理件数がほかの月と比べて約1・5倍の124件あった。夏に急増するスマホ水没によるものもあるが、暑さの影響とみられるものが多い。今季はバッテリー膨張による修理依頼がすでに10件以上入っている。

 同店の大橋秀明店長(44)は「スマホやパソコンなどのバッテリーの多くはリチウムイオン電池が使われていて、高温になると異常な化学反応が起き、内部にガスが発生します。このガスでバッテリーが膨張し、進行すると液晶画面が浮いたり、バッテリーがショートして発火する恐れもあります」と説明する。

 機器が高温になりやすい環境として、直射日光の当たる場所や車に放置することなどが挙げられる。また充電をしながらの使用も、負荷が大きく高温になりやすい。

 一方、高温になった機器を冷やそうと、冷蔵庫に入れたり冷たい飲み物を当てたりすると、急激な温度変化で結露が発生し、別の故障につながるのでやってはいけない。

 対策として大橋店長は「扇風機などの風に当て、自然に冷えるのを待つのが一番効果的。暑い夏は、スマホも人と同じように快適な環境で過ごさせてほしい」と話す。

 「最近はインターネット上に自力でのバッテリー交換方法が紹介されていたりしますが、手順や道具を誤ると、さらなる故障や事故を招く可能性もあるので、修理はプロに依頼してほしい」とする。

 福知山市消防本部も夏場の火災に注意を呼びかけている。

 近年、工場や自宅の作業場に設置されているコンデンサによる火災が、暑い日が続く時期に全国的に発生していて、市内でも昨年度に1件発生した。

 消防本部は「定期的な安全点検や機器を使わないときはブレーカーを切るなど、火災を防ぐために注意をお願いしたい」としている。