木更津看護学院26年閉校へ パワハラ問題、経営難拍車か 復学希望者「また裏切られた」

AI要約

木更津看護学院が経営難を理由に2026年3月に閉校する方針を固めた。パワーハラスメント問題と入学者不足が影響しており、医師会は来年度の学生募集停止と閉校を決定。

医師会は閉校までの費用抑制のため25年度の学生募集を中止し、補助金の返還額も課題となっている。県や各市からの補助金合計は約1億1千万円。

退学率の高さやパワハラ問題が校内で取り沙汰され、元学生の一部は復学を希望しているが、学校側の対応が不透明。歴史ある学校の閉校に対する悲痛な声が上がっている。

木更津看護学院26年閉校へ パワハラ問題、経営難拍車か 復学希望者「また裏切られた」

 教員によるパワーハラスメント問題で自主退学者が相次いだ「木更津看護学院」(木更津市)が、経営難を理由に2026年3月に閉校する方針を固めたことが分かった。同校は君津木更津医師会が設置する2年制の准看護師養成学校。医師会の会員によると、パワハラ問題の影響もあり、直近2年の入学者は定員40人に対し半数程度にとどまった。今後も多くの学生を集めるのは難しいと判断し、千葉県などの補助金の増額も認められなかったことから、17日の医師会臨時総会で来年度の学生募集停止と閉校の議案が可決されたという。

 千葉日報社が入手した複数の資料によると、医師会は25年度の学生募集を中止にすれば、閉校までに新たに発生する費用のうち赤字分を最大約1100万円に抑えられるとしている。「医師会の補塡(ほてん)分を可能な限り少なくする」との記載もあった。

 また、医師会は07年に県から1億2755万円の補助金の交付決定を受け、同校が入る施設を建設。今年6月に県に相談した際、閉校の場合は7600万円を返還しなければならないことも分かったという。

 6月県議会の健康福祉常任委員会で、県担当者は学生募集停止について前年12月までに知事に申し出る必要があるとし、同校存続の検討や復学予定者への寄り添った支援を求めることなどを伝えると答弁していた。

 県と国に加え木更津、君津、富津、袖ケ浦の4市からの補助金も合わせると返還総額は約1億1千万円に上り、医師会は減額を要望する意向との情報もある。

 同校は18日昼、ホームページで学生募集停止の決定を公表。閉校については明示しなかった。

 来年度の復学を予定していた元学生の一人は「まだ学校から連絡がない」とした上で「パワハラとは別件で、また裏切られた気分。人の人生を何だとだと思っているのか。みんな理由があって木更津を選んでいるのに。本当に残念」と怒りをあらわにした。

 同校は1940年に設立(前身校含む)。2021年度に1年生の4割が退学し、22年末に当時の校長が教員2人によるパワハラを認め謝罪し、引責辞任した。医師会は再発防止に努め、退学者の復学を受け入れる意向を示していた。