「土用の丑の日」に恩返し 今年5月閉店、山形のうなぎ料理店「染太」

AI要約

山形市中心市街地でうなぎ料理などを提供していた老舗「染太」が閉店し、再びうな重をテイクアウトで提供することが決定した。

店の歴史や閉店の理由、再開の背景などが述べられている。

期間限定での提供で、地域住民や常連客からの期待が高い。

専門店ならではの、本格的なうなぎの味を提供するための思いや、提供方法について述べられている。

地域の人々や客からの感謝の言葉や期待に応えるため、再び厨房に立つ決意が語られている。

テイクアウトの詳細や販売期間、予約方法、価格帯なども記載されている。

地域住民の懐かしみや名店の味への期待が語られている。

 山形市中心市街地でうなぎ料理などを提供し、今年5月に77年の歴史に幕を閉じた「染太」が、「土用の丑(うし)の日」の今月24日と8月5日に合わせ、うな重をテイクアウトで提供することにした。「また店をやってほしい」。社長の佐藤憲一さん(68)は、常連だった人たちの手紙や声を受けて、長年、店を支えてくれた恩返しをしたいと、期間限定で再び厨房(ちゅうぼう)に立つ。

 同店は1947(昭和22)年にうなぎ料理店として営業を始めた。愛知県三河一色産のウナギを使ったうな重などが人気を集めたが、宴会需要の減少や外食産業の多様化、なによりウナギの仕入れ価格の高騰もあり、近年の売り上げはピーク時の半分以下に落ち込んだ。店舗前の都市計画道路の拡幅工事に伴い、閉店することを決めた。

 「染太が大好き」「おいしいうなぎを本当にありがとう」。閉店までの約1カ月の間に、県内外の常連客らが10通ほどの手紙をくれた。店を閉じることに寂しさを感じるという客がいる一方、「また店をやってほしい」「これからは、どこで食べれば良いの」「再出発はどこでするの」といった声が多く、幼い子どもや、帰省したら必ず食べていたという人もいた。

 うな重やかば焼きは、専門店の高級なものだけでなく、スーパーや牛丼チェーン店でも手軽に買い求めたり、食べたりすることができ、価格帯などは多様化している。ただ佐藤さんは「専門店ならではの、うなぎの味を伝えていきたい」との強い思いは、閉店後も持ち続けている。感謝やねぎらいの言葉を寄せてくれた人たちに報い、期待にも応えたいと、土用の丑の日に合わせ、期間限定で提供することを決めた。

 今回は染太の風物詩となっていた、店の前で炭火で焼くことはしないが、地域住民からは、その光景を懐かしむ声は少なくない。同市七日町2丁目の丹野洋一さん(61)は「香ばしい匂いと共に、子どもの頃に父親に連れて行ってもらった思い出が浮かぶ。限定でもうれしい」と話した。秘伝のたれは、閉店後もしっかり保管してあり、名店の味がよみがえる。

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 販売は今月23~27日、来月2~5日で、1日当たり50~100食限定。前日までに予約し、当日午後2~5時に同店で受け取る。材料や製法は以前と同じで並重3500円、上重4千円、特重4500円。問い合わせは同店023(632)0040(不在時は留守番電話で対応)。