東大阪「絹屋」の和菓子職人・江川綾乃さんが技術競うコンテストでグランプリに

AI要約

和菓子店「菓心庵絹屋」の和菓子職人・江川綾乃さんが第13回全国菓子研究団体連合会技術コンテストでグランプリを受賞した。

コンテストは3部門で行われ、江川さんは5種類の上生菓子で表現した「五ツ盛」で出品し、未来をテーマに菊の練り切りや味甚羹などを作った。

江川さんは4年目の和菓子職人であり、技術不足を感じつつも、さらなる成長を目指している。

東大阪「絹屋」の和菓子職人・江川綾乃さんが技術競うコンテストでグランプリに

 近鉄奈良線東花園駅近くの和菓子店「菓心庵絹屋」(東大阪市吉田6)に勤める和菓子職人・江川綾乃さんが7月8日、「第13回全国菓子研究団体連合会技術コンテスト」でグランプリを受賞した。(東大阪経済新聞)

 全国の8つの菓子研究団体が所属する全国菓子研究団体連合会(本部=東京都新宿区)が年1回の総会とともに開く同コンテスト。「上生菓子・引き菓子部門」「盆景菓子部門」「工芸菓子部門」の3部門があり、各部門の受賞作品と最高賞のグランプリを決める。会場は持ち回りで、今年は大阪産業創造館(大阪市)で開催され、約80人が出品。総会に出席した約170人の投票により、受賞作品を決めた。

 グランプリを受賞した江川さんは、辻製菓専門学校(現・辻調理師専門学校)卒業後、菓心庵絹屋に入社。和菓子の研究団体「大阪二六会」(柏原市)にも所属し、毎月行われる講習会に自身が作った和菓子を持ち込んでアドバイスをもらうなど、店での業務に加え、研さんを積んでいる。

 今年のテーマは「未来へつなぐ和菓子の世界」で、江川さんは、素材や色、形の違う5種類の上生菓子で表現する「五ツ盛」で出品。不老長寿を願う菊の練り切り「花開く」、コケが生えるくらい長く続くことを表現した「千代に」、未来をイメージし、さまざまな色が調和した味甚羹(みじんかん)「未来へ」などを作った。

 江川さんは「入社して4年目。全国の和菓子職人と一緒に作品を出せる機会は年に1回しかない貴重な経験なので今年も出品した。会場では、ほかの人の作品が素晴らしかったため、(自分を)グランプリに選んでいただいたのは驚いた」と振り返る。「3度目の出品でグランプリ受賞はうれしいが、技術不足の部分もあるのでもっと勉強していきたい」とも。

 店主の西田浩明さんは「一つの形ができると、それを越えるのが難しい。まだまだ勉強して、スキルアップして乗り越えて羽ばたいてほしい」とエールを送る。